別れた恋人たちは 再び会えるのか?
こんにちは、自称「飛行機大好きおじさん」です。飛行の原理が詠まれている百人一首をご存知でしょうか。それは、崇徳院(すとくいん)が詠んだ歌です。
瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
この歌は、「瀬が速いので、岩にせきとめられる滝川が真っ二つに分かれても、いつかまた合流するように、恋しい人と別れてもまたいつかは逢おうと思う」という意味です。(角川ソフィア文庫 百人一首(全)谷 知子 編より)崇徳院が保元の乱に敗れて讃岐の国へ流される以前に詠まれた歌にもかかわらず、いつかきっと都に戻りたいという執念も込められているように思えます。
さて、この歌と飛行の原理にどのような関係があるのでしょうか。飛行機の翼の断面形は、上面が丸く下面が平らな形をしています。翼の先端に当たった空気の流れが、翼の上面と下面に別れ端のとがった部分で再び合流するとき、翼の上面では流速が速くなって圧力が低くなり、下面では流速が遅くなって圧力が高くなり、その圧力差で揚力(ようりょく)と呼ばれる上向きの力が発生して、飛行機が空を飛ぶことができるのです。まさに、この歌は飛行の原理を表しているのです。現代のようにカメラやビデオがなかった大昔の人達は、自然を詳細に観察して絵画や歌で表現する芸術家であり科学者でもあったわけです。
では、果たして恋人たちは再び無事に会えるのでしょうか?翼の先端で別れた空気の流れは翼の後端で合流はしますが、翼の上面の空気の流れは下面の流れよりも流速が速いため、上面の流れが先に流れ去ってしまいます。つまり、翼の後端で合流はするけれども同時に到着しないために会うことができないのです。科学の世界では、恋人たちが再び会うことはできないという切ない結果に終わってしまいます。
あなたは、百人一首と科学のどちらに浪漫を感じますか。
| 書籍名 | 一冊でわかる百人一首 |
|---|---|
| 著者 | 吉海直人 |
| 出版社 | 成美堂出版 |
| 価格 | 1,430円 |
| 概要 | オールカラーの決定版。豊富な写真とコラムで、時を越えて日本人に愛されてきた小倉百人一首を、ビジュアルに詠み味わう本。 |
| ISBN | 9784415042343 |