メトロ書店社長 川崎綾子
あれは、30年前の4月29日。
メトロ書店浜町店(観光通りアーケード明治屋ビル1F)のオープンを記念して、何か開店記念のチラシを作ろうということになりました。が、そのうち、盛り込みたい事柄が多くなりすぎて、結局、紙面をB4サイズに大幅に大きくし、新聞にしてしまおう、という話になりました。そこで誰が制作するか、という話になり、当時上智大学4年生で卒業後は家業であるメトロ書店に入社することが決まっていたわたくし、川崎綾子に「お前が一番暇だろう、編集長をやれ」と当時の社長であった祖父から無理やり言われて編集長を引き受けることになりました。
以来、気がつくと30年。
毎月発行し続け、一度も休んだことはありません。(いい加減ネタ切れなので、今度こそ休もうと思ったことは何度もあります)
30年の間に、2000年にアミュプラザ長崎に弊社初の大型書店を出店、2006年に福岡千早店をオープン、2007年専門学校メトロITビジネスカレッジを創設、2008年には、初の九州以外の大型店神戸御影店を出店、2016年にはミャンマーに専門学校を創設。2021年には熊本本店を出店いたしました。
雑誌や書籍など紙媒体の出版物の売り上げは1996年をピークに、年々減少の一途をたどっています。
かつて、全国に22000店あった書店の数も、2023年には8169店舗に減少しています。
そんな中、「メトロニュース」は頑なに「紙の本」を守ろうと、紙の新聞を発行し続けてきました。
今までに組んだ特集の中で評判がよかった号は
「紙のにおい当てコンテスト開催」「本の森で本を探せ宝探しゲーム開催」
「熊本芦北大野小学校の生徒さんが熊本本店へ~読書の旅」「ニューヨークの本屋見て歩き」などです。また、2017年より2020年まで作家の仁木英之先生に「次に来るのはこの一冊」という本の紹介のコラムを書いて頂くという素晴らしい栄誉にあずかりました!
創刊当時から2000年まで続いていた故川崎清会長の連載「僕の戦後五十年史」の後に連載が始まった「版元さんリレーエッセイ」は、普段出版社の方の話を直接聞くことのないお客様にはとても好評で、毎号楽しみにご来店されている方もいるほどです。
また、全国に「書店新聞」自体がそれほど多くないのかも知れませんが、10年間毎月4コマ漫画が載っている新聞(しかも作者はメトロのお客様)も珍しいと思います。
弊社メトログループはIT企業でもありますし、このデジタルの時代にこのようなガリ版刷りの新聞を発行するのは時代錯誤はなはだしいかも知れませんが、メトロ書店の本好きのお客様からはいつも「今月号できた?」「こないだのあのコラム良かったよ」と声をかけて頂いたり、感想をメールしてきて下さったりしています。
メトロニュース読者の皆さん、書店と出版業界は今大変厳しい時代です。
それでも、こうして、紙の本の文化をたやさずに、メトロ書店は最後まで頑張りますので、どうか引き続きご愛顧・ご支援の程よろしくお願いいたします。
そして、30年間言い続けているお願い何でも良いので本に関するコラムの投稿をお願いします!
メトロニュースはメトロ書店各店のレジ、検索機メトロンのカウンターで無料配布しております。