ステンドグラス

2023.7.5 第351号

母のように

メトロ書店 副会長 川崎紀子

早いもので、今年の秋には亡き母の十三回忌を迎える。父が亡くなった後、10数年独り暮らしをしていたが晩年は長野の姉夫婦と余生を過ごした。落葉松林をノルディックウォーキングしたり近所の方たちに呼び掛けて女性の交流クラブを作ったり、活発に楽しく暮らしていた。


亡くなる数日前、久しぶりに兄弟姉妹が長野に集まり楽しい一日を過ごした。


長崎に戻った私に、皆帰ってしまって寂しい、と、涙声で電話があった。「大丈夫よ、又直ぐ会いに行くからね」と、電話を切った翌日、母は天国に召された。


訃報を聞いて信じられなかった。あんなに元気で食事もお酒も飲んで、持病の喘息も出なくなったのに。もっと長く電話でおしゃべりしてあげればよかった、まさか亡くなるとは夢にも思わなかった、すぐに会えると信じていたから。

 

日頃からピンピンコロリンで死にたいと言っていた通り、朝ベッドから起きた時に天に召されたようだ。

 何と幸せな大往生だろう。子供たちに囲まれ楽しい数日を過ごし思い残すこともなかったのだろう。


私も母のようにピンピンコロリンで、この世と別れることが出来たらいいなあと思う。