版元さんリレーエッセイ

2023.4.5 第348号

西日本出版代表取締役 内山正之様

昨年4月10日に創業20周年を迎え、この号が出るころには21年目に入ります。

2001年夏、大阪のエルマガジンを辞めてぶらぶらしているところ、大阪の、本屋さんをやっている人たちから、「内山君、出版社やったらええねん、応援するし」「取次へ嘆願書をかいたげるから」と背中を押されました。

 だめもとで、30枚ほどの嘆願書を持って東京の取次各社の取引をやっている部署を回ると、「紀伊國屋さんやジュンク堂さんの社長の推薦状を持ってくる出版社は多いけど、町の本屋の社長さんの嘆願書を持ってきた出版社ははじめてです」、そこからとんとん拍子、日本出版販売、大阪屋、栗田出版販売、太洋社、日本地図共販が取引してくれることになりました。

本を作ったことがない出版社と取引することなんて前代未聞、手元の貯金は退職金の300万円、しかも今でいう一人出版社で社員もなし。

友人がやっていた出版倉庫の隅に机とコピー機を置かせてもらい、出版社を始めることになりました。

  一冊目が、「ぼくがナニワのアナウンサー」3000部完売、二冊目の「超麺通団」が讃岐うどんブームをけん引し20000部、その後作ったシリーズも含めて累計12万部。他にも「瀬戸の島旅」が6万部で瀬戸内ブーム、関西限定ですが「くるり丹波篠山」が3万部で、里山ブームが起こりました。

 うちの本づくりは変わっていて、いろんなところで出会った人たちと共感したところから本づくりを始めます。この人たちは地元に足場を持って、そこに惚れ込んでいる人ばかり、いっしょにああでもない、こうでもないと話をしながら本を作っていきます。なのでうちは「出会い系出版社」、こうやって作った本を「本籍地のある本」と呼んでいます。そうやってできた本を、全国の本屋さんに伺って販売してもらうように話し込みます、ここも出会いです。

飛び込み営業なので、ほぼ一期一会、でもめちゃくちゃ楽しい日々を送っています。

 この号がでるころには、愛媛県の人たちと作った「瀬戸の島旅 しまなみ海道」(AB判オールカラー 定価990円)が店頭に並んでいると思います、この思い、メトロ書店さんの店頭でご覧ください。

【内山正之様のプロフィール】

株式会社西日本出版社 代表取締役。奈良県生まれ。立命館大学卒業。駸々堂出版、京阪神エルマガジン社で営業担当。2022年4月西日本出版社を吹田で創業。日本出版学会会員・吹田歴史文化まちづくり協会理事・版元ドットコム会員


*編集長より:内山様お久しぶりです。お世話になります。