ぶくぶくコラム

あなたの勉強法は効果があがっていますか？　

　私はメトロ書店で本を購入して、店内にある「カフェVERDE」に移動し、そこでコーヒーを飲みながら「戦利品」（買ったばかりの本のことを私の中でこのように呼びます）を読むのが、私にとってかけがえのない至福の時間です。カフェで周りを見渡すと、読書以外に勉強や仕事をしている人を多く見かけます。すると、スーツを着た若い男性が、何やらずっと小さな声でつぶやいていました。近くを通るときにチラッとテーブルの上を覗いてみると、何かの資格試験の勉強をされているようでした。それ以来、カフェでその男性を見かけるたびに、つぶやきながら勉強する方法にどのような効果があるのか気になっていました。

　そこで、南フロリダ大学医学部助教でありYouTubeで勉強法について発信している安川康介先生の「科学的根拠に基づく最高の勉強法」という本について紹介します。この本の最初に、私が昭和の時代に学校で行っていた板書をきれいにノートに書き写して赤線を引くという行為は、勉強の効果があがらないことが紹介されていました。勉強ではインプットよりもアウトプットが大切で、「アクティブリコール」といって、勉強した内容を何も見ないで白紙に書き出し、人に教えるように口に出して説明することが大切だということがわかりました。また、「分散学習」といって、1日でまとめて勉強せずに数日の間隔をあけて繰り返し復習するのも効果的です。つまり、アクティブリコール＋分散学習が、最高の勉強法です。この本によって、これまで私が学生時代に良いと思っていた勉強法があまり効果のない方法だったことや、社会人になって時間が限られた中で行っていた勉強法が効果的な方法であったことが、学術論文のエビデンス付きで確認できました。

　この本を読んで、カフェでつぶやきながら勉強している男性が最高に効果的な勉強法を実践されていることを確信しました。資格試験に合格されることを、心からお祈り申し上げます。

編集長より：K先生ありがとうございます。頭の良いK先生からのお墨付きの勉強法ですが、つぶやくときはごく小さな囁きでお願いしたいです！