版元さんリレーエッセイ

2022.6.5 第338号

KADOKAWA 書店営業部 西沢将史 様

はじめまして。最初にこのリレーエッセイのお話をいただいた時に『800文字程度、tweetだいたい6回分か…』と思ってしまった。よくない。

本に携わる仕事がしたいと出版業界の門を叩き、運よく今の会社に入社し、営業として書店様を回る日々。本も、人と話すことも好きな自分にはとても恵まれた環境です。

本、読書との出会いは小学校の頃。学校の図書館では『銀河鉄道999』か『はだしのゲン』しか読んだことがなかった私でしたが、当時好きだった女の子が本を読んでいるのを見て、『同じ本を読んでいる』ということを話したいという下心まみれの理由で小説を読み始めました。その時に手に取ったのはミヒャエル・エンデの『はてしない物語』

読み始めた理由が下心まみれだった私も、まんまと物語の濁流にのまれ、気付けば、積読本があるのに理由もなく書店に脚を運び次々と新刊を買ってしまう、【読書】という沼に足を一歩踏み入れてしまったわけです。そしてその積読本は日々増え続けている。恐怖。

そんな私も大学では勉学ではない何か違う無為なことに時間を取られ本を読む機会も減っていきました。

そんな時、一緒に暮らしていた弟の本棚から何気なく手に取った森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』が、大学時代に無為な時間を過ごした私にはとてつもなく刺さり、そのまま次に読んだのが『四畳半神話大系』でした。

そして一昨年、『四畳半神話大系』と世界観を同じくした『四畳半タイムマシンブルース』が発売されました。上田誠さんの戯曲『サマータイムマシン・ブルース』とのコラボで、あの愛すべきキャラクター達が壊れたエアコンのリモコンをなんとかするため、タイムマシンで過去から壊れる前のリモコンを奪取しようとする。そこで巻き起こるあれやこれや。くだらない、実にくだらなくて最高でした。これぞ森見登美彦ワールド。

『四畳半タイムマシンブルース』は6月に文庫化、9月には劇場版アニメの公開が控えています。是非この機会に皆さんの元にこの物語が届いて欲しいなと思います。

(本当は長崎ということで村山早紀さんの『魔女たちは眠りを守る』を紹介しようと思いましたが3ヵ月連続村山早紀さんになるのでそれはまた別の機会で、いつか)

書籍名 はてしない物語
著者 ミヒャエル・エンデ/著上田真而子/翻訳 佐藤真理子/翻訳
出版社 岩波書店
価格 3,146円
概要 10歳のバスチアンは本を読んでいた――ファンタージエン国は,正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前.その国を救うには,人間界から子どもを連れてくるほかない…….映画化された大長編ファンタジー.
ISBN 9784001109818
書籍名 夜は短し歩けよ乙女
著者 森見登美彦/著
出版社 KADOKAWA
価格 616円
概要 新時代のとびらを開く、恋愛ファンタジーの大傑作。「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回とは?山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位の傑作、待望の文庫化!
ISBN 9784043878024
書籍名 四畳半神話大系
著者 森見登美彦/著
出版社 KADOKAWA
価格 748円
概要 私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。
ISBN 9784043878017
書籍名 四畳半タイムマシンブルース
著者 森見登美彦/著 上田誠/企画
出版社 KADOKAWA
価格 704円
概要 気ままな連中が”昨日”を改変。世界の存続と、恋の行方は!?水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へタイムスリップ! ところが悪友が勝手に過去を改変し、世界は消滅の危機を迎え……。『四畳半神話大系』と『サマータイムマシン・ブルース』奇跡のコラボが実現!
ISBN 9784041119860

【西沢将史様プロフィール】

1983年、長野県白馬村という雪の量くらいしか誇れるところがない土地で生まれました。株式会社KADOKAWA書店営業部で、4月から西日本エリアの担当になりました。

普段は家で猫の『えびふらい』と遊んだり本を読んだりゲームをしたりアニメを視たり、フラッと一人で出掛けたりしています。

*西沢様ありがとうございました。結局学生時代からKADOKAWAさんにご縁があったのですね。