特集

2022.6.5 第338号

メトロ書店新入社員奮闘記

メトロ書店熊本本店 後藤幾哉

「春はあけぼの」とは、清少納言の枕草子の冒頭一節。暑すぎず、寒すぎない気温で朝日とともに目が覚めるのは確かに気持ちの良いものです。

初めまして、後藤と申します。この度四月より新入社員となり、熊本本店の児童書の担当に就任いたしました。

はじめは馴染めるかという点と、自分に無事職務を全うできるのかという不安がありました。今でも同様の不安はありますが、アルバイトや社員といった立場を問わず、職場の先輩方のおかげで、何とか業務をこなせるまでに成長できているのではと思っております。

児童書担当に就任して早二ヶ月。私が最も苦心した膨大な種類の書籍を記憶することです。今も増え続ける絵本や児童文庫をすべて記憶することは並大抵の努力ではなしえないでしょう。今もまだ、全てを空で列挙できるほど覚えることはできていません。時には先輩スタッフの方々の手を借りながら日々の業務にいそしみ、勉強を重ねております。

 先輩スタッフの方々はときに優しく、ときに厳しく指導してくださり、業務に必要なことを丁寧に教えてくださいます。社会人となって常々感じておりますが、叱ってくれる存在は非常に大切であると痛感する日々です。

 さて、私にとって新天地である熊本の印象は、「静かで暮らしやすい」というものが強いです。これまで育ちの故郷である福岡、学生時代の神奈川、長崎と転々としましたが、便利であることと自分の暮らしやすさは必ずしも同一ではないと常々感じております。

 そして実際に店員としてお客様と接してですが、熊本には非常に懐が深い方々が多いと感じております。私はもちろん、スタッフ一同はお客様に満足いただけるよう誠心誠意ことに当たってはいますが、どうしても失敗をしてしまうことがあります。そのようなとき、スタッフとして、一人の人間としてどうしても申し訳ない思いに満たされますが、笑って許すことはないものの、謝罪を受けてくださる方々がほとんどでした。

「九州の精神的風土(1992年、高松光彦著)」では、「熊本人は敦厚、懇篤なり」と述べられていました。それは「九州人の鏡」とも言われる、他者への細やかな心配りができる「肥後もっこす」だからこそかもしれません。因みに「九州の精神的風土」は、私が学生時代、大学図書館の書庫の奥で発掘した書籍で、おそらく今では入手困難なものでしょう。

 コロナの影響が色濃く残っている今日ですが、このようなご時世だからこそ書籍に接する機会ではないかと思っております。児童書コーナーは五月より「絵本おはなし会」を再開させ、子供たちに本の面白さを知ってもらおうと計画しております。私も毎日勉強しながら、お客様にご満足いただけるサービスを日々ご提供したいと精進してまいります。もし、熊本本店で私を見かけたらお声をおかけ下されば幸いです。