メトロ書店副会長 川崎紀子
桜の花が終わった頃、昨年は一輪も花をつけなかった庭のライラックが7つも花芽をつけた。私の大好きな花だ。家の庭は古い松が中心の日本風なので、ライラックを地植えに出来ない。それで大きな鉢植えで育てている。
昨年は玄関前に置いていたのだが、今年は寒さが緩んだ頃から陽の当たる南側に移動させた。その甲斐あって花芽をつけてくれたのだ。その後可愛い薄紫色の小さな花が房状に咲き揃い、枝から垂れさがって良い香りが漂ってきた。毎日花に顔を近づけて、お日様の恵みに感謝した。
お日様といえばカズオイシグロの「クララとお日さま」を思い出した。
太陽の光が差し込んでくるシーンだ。暖かい包み込んでくれるお日様の恵み、眩しい金色の光。人工的で無機質なAIと自然の太陽との関わり。もう一度読みたいと思った。
書籍名 | クララとお日さま |
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著者 | カズオ・イシグロ/著 土屋政雄/翻訳 |
出版社 | 早川書房 |
価格 | 2,750円 |
概要 | 人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱な少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問う感動作。 |
ISBN | 9784152100061 |