あれは三年前、読書相談カウンターなるものをメトロ書店本店に設置して間もない頃のこと。
「すみません。脱獄に関する本はないですか?」と50代ぐらいの男性に聞かれた。
「脱獄」の部分が一瞬良く聞こえなくて、「えっ?脱北?」と聞き返すと「んにゃ、脱獄の本、牢屋から逃げ出す本」とおっしゃる。
脱獄・・・というと、ぱっと思い出したのが「安政五年の大脱走」(五十嵐貴久、幻冬舎文庫)またメトロシステムで調べてみると、「破獄」という網走刑務所の本を1986年に吉村昭が書いている。他に名作で言うと「モンテクリスト伯」とか。とご紹介すると、うーんと首を横に振る。「そうだ!脱獄と言えば、映画『ショーシャンクの空に』や『大脱走』が鉄板じゃないですか?」と申し上げると、「んにゃ。おれ映画見らんとさね、本しか読まんと」とおっしゃる。
それで結局、「図解牢獄・脱獄」という本を買って行かれた。
以来、ご来店されるたびに「脱獄の本出とらんね?」とお聞きになる。しかしそう簡単に「脱獄」の本は出ないのである。それがまた歯がゆいのである。その後、新刊案内や入荷してくる本の中に「脱獄」に関する本がないか気がけてチェックするようになった。そして新刊が出たときは、真っ先に紹介しようと準備しているのである。
しかし、この方は何のために脱獄の本を勉強しているんだろう? ハッ!私も、「脱獄」が気になってるー!
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