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今月のメトロニュース
2019.2.5発行 No296  
特集 版元さんリレーエッセイ ステンドグラス 次に来るのはこの一冊!

次に来るのはこの一冊!
作家 仁木英之

宝島  全国四千万のメトロ書店ファンの皆様こんにちは。今月の次に来るのはこの一冊はこちら!
 『狭小邸宅』(新庄耕・集英社文庫) SNSというのは面白い場所で、いろんな職業の方が書き込んでいます。見知らぬ世界の事情が垣間見えたり雰囲気が伝わってくるのが実に楽しい。ツイッターのような短文で物事を伝えるSNSでは,思わぬ方々の書き込み方が面白いことがあります。中でも集団として最も面白いのが不動産クラスタと呼ばれる方々です。不動産業を営んでいたり、自分が物件を所有して運用していたり。そういう人たちが日々タイムライン上で交わす言葉や表現には、作家には思いつかないような着想やユーモア、そして痛烈な皮肉が含まれています。
 土地や家は人生の大切な地位を占めるもの。一般の人にとって物件購入は一世一代の大事業です。何千万、時に億という物件を扱うとなれば、その取引や交渉に全力を傾けるでしょう。一所懸命という言葉があります。先祖から受け継いだ土地を守るため文字通り命を懸けたものです。土地売買に関わると懸命すぎて正気を失ったがごとく見えることがあり、そこにドラマが生まれます。
 不動産会社に就職した若者が不動産業という、地獄感とロマンに溢れた世界で成長していく物語……なのですが、いわゆるお仕事小説にありがちなカタルシスを期待するとちょっと肩透かしを食らうかもしれません。普段と桁違いの金と不動産を扱う時、売る方にも覚悟がいる。主人公の上司が言う、売るんじゃなくて買わせるんだ、という言葉。売ることを「殺す」と表現する苛烈さ。新庄耕さんは『ニューカルマ』でネットワークビジネスを、『カトク』でブラック企業を描くなど、社会の光と影の狭間を物語とする名手であります。新庄さんは現在『地面師』を小説すばるに連載中。不動産クラスタの間では誰が新庄さんに物件を売る(押し込む?)かが話題になっているそうです。


(仁木英之プロフィール)

いつもひとさまの小説を称え、頭皮の心配ばかりしている私ですが、この度新刊が発売されました。『レギオニス 興隆編』(中公文庫)と『黄泉坂案内人 思い出の向こう岸』(KADOKAWA)です。『レギオニス』は織田信長を長きに渡って支えた柴田勝家を主人公にした一代記であります。上から織田信長のプレッシャーを受け、下からは秀吉など優秀な若手の突き上げを受けて四苦八苦する組織人としての勝家をぜひお楽しみください! メトロ書店にて 好評発売中。

 
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