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今月のメトロニュース
2018.1/10発行 No.272  
特集 版元さんリレーエッセイ おすすメトロ 次に来るのはこの一冊!

ステンドグラス
作家 仁木英之

全国二千六百万メトロ書店ファンの皆様、こんにちは。
『次に来るのはこの一冊』第二回となりました。加藤元さん『1999年の王』はお読みいただけましたでしょうか? メトロ書店各店に在庫がありますので、ぜひご一読ください。  

さて今回紹介させていただくのは、原田ひ香『ギリギリ』(KADOKAWA、1600円+税)です。私は小説の本文を書く時に苦労や苦痛を感じることはほとんどないのですが、タイトルを決める際にはいつも七転八倒の苦しみを味わっています。原田作品のタイトルは『東京ロンダリング』『彼女の家計簿』『人生オークション』など、どれも秀逸です。しゃべり過ぎず、隠し過ぎない。そしてもちろん内容も面白い。  原田さんは柳のような文体を持たれているなと感じます。文体というのは作家の顔のようなものです。彼女のそれは柔らかでありながらしなやかで、包み込んでくるような優しさを感じるのに、甘えすぎると強烈な平手打ちが飛んでくる。  もともと脚本の世界を志していらっしゃっただけあって、ドラマの作り方が非常に巧みです。物語の途中で作者がしゃしゃり出てきて「さあここから盛り上げるぞ」とやられると興ざめするものですが、原田さんにはそれがない。  何気ないエピソードの積み重ねから物語のうねりに読者を巻き込む術に長けていらっしゃいます。『ギリギリ』は原田さんの実体験も重ね合わされているかのように、ある種の切迫感をはらみつつ進んでいきます。  読後感も文体も全く異なるのですが、私の頭に浮かんだのは宮下奈都さんでした。宮下さんの物語の中にある優しさと強さは多くの人に受け入れられるところとなり、現在の活躍は皆さんご存じの通りです。  どこの版元さんにお話しても、フムフムイエス、と納得の頷きがかえってくるのは高い評価のあらわれでしょう。あとは読者さん書店さんの盛り上げが加われば、宮下さん級の大爆発は間違いないところ。『ギリギリ』ぜひご一読を!

仁木英之プロフィール

大阪生まれ。主な作品に『僕僕先生』『千里伝』『黄泉坂案内人』『大坂将星伝』など。近刊は『千夜と一夜の物語』(文藝春秋)『まほろばの王たち』(講談社文庫)。数年ぶりに丸刈りを卒業しようと思っていたら頭皮が許してくれませんでした。



 
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