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今月のメトロニュース
2017.10/10発行 No269  
特集 版元さんリレーエッセイ ステンドグラス 横浜だより

特集
再び注目を集める!漢字の面白さを味わおう

メトロ書店 神戸御影店 東光希

2017年も気付けば残り3ヶ月を切り年々時間の経過が早くなっているなと感じていますが、皆さんはいかがでしょうか? 今年もさまざまなヒット商品が生まれましたが、書店業界で外してはならないのが「うんこ漢字ドリル」(文響社、各1058円)シリーズです。あらゆるメディアで取り上げられたこともあり、発売2ヶ月で累計200万部を突破する大ヒット商品となりました。 まだご存じではない方のために説明をさせていただくと、このドリルはその名の通り小学校で習う漢字の入った例文すべてに「うんこ」を入れることで、子供たちが面白がって自主的に勉強するというブームを巻き起こしました。勉強するための学習参考書というお堅いジャンルに、突飛で斬新なアイデアを加えたことで、親御さんの心まで鷲掴みにする画期的な商品となった訳です。 また、小学生だけでなく、大人の方で漢字の学び直しや脳トレ用としこのドリルを購入されるお客様もいらっしゃり、老若男女問わず話題になっていることを実感いたしました。

突然ですが、私は今夏、休日を使って京都市にある漢字ミュージアムに初めて訪れました。 昨年夏に開館しただけあってとてもきれいな施設なのですが、何も考えずに歩いていると通り過ぎてしまいそうになるくらい、京都の歴史ある街並に溶け込んでいました。 施設内は、毎年清水寺で揮毫(きごう)が行われる「今年の漢字」の展示や漢字5万字タワーが目を惹くのですが、そういった展示物だけでなく、タッチパネルなどゲーム感覚で遊びながら漢字に触れることができるスペースが設けられたりと、大人でも勉強になることが数多くありました。 私が訪れたときは「漢字恐怖の館」という期間限定のイベントが催されており、お化け屋敷さながらの暗い通路を進みながら誰もが頻繁に使っている漢字の恐ろしい成り立ちを知ることができる企画も行われていました。 学生でも、大人だけでも、家族でも楽しめる京都の新スポット、気になる方は是非一度訪れてみてはいかがでしょうか? さて、ここまで漢字のことを記してきたのですが、ここからは本に絡めた話をしたいと思います。 皆さんは読書中にわからない漢字や語彙が出てきた際、読みや意味を推測して読み進めますか?それとも、調べて理解してから読み進めますか? 私は後者なのですが、それに加えて読むスピードが遅いため、一冊を読破するのに膨大な時間を要してしまうことが小さな悩みでもあります。 特殊な読み方のものやいわゆる難読漢字と呼ばれるものには、ルビ(ふりがな)が振ってあるこ とがほとんどですが、それでも意味が把握できなかったり、名詞の場合はそのものを知らなくて調べるケースがあります。 ここからはそういった漢字が作中に含まれている話題作とおすすめの作品を紹介いたします。

○「マスカレード・ナイト」(東野圭吾、集英社、1782円) 「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イブ」に続く累計265万部を突破しているシリーズ最新作。刑事とホテルウーマンのコンビが新たな殺人事件に立ち向かう。

○「満願」(米澤穂信、新潮社、単行本1728円、文庫724円) ミステリー作品には定評がありファンも多い著者が放つ、各文学賞を総なめにした作品が文庫でも登場しました。ミステリー短篇全6篇を収録、ファンだけでなくミステリー初心者でもその世界観にどっぷりと浸ることのできる作品。 「マスカレード・ナイト」と「満願」にはともに『洟』という漢字が登場します。読みは“はな”で鼻水の意味で用いられるそうです。前者では「洟を啜る」(はなをすする)の形で用いられ、『啜』もこの作品で新たに知りました。

○「漢和辞典的に申しますと。」(文藝春秋、円満字二郎、832円)  個人的に今年一番ハマって読みました。漢字好きの方は必読、そうでない方も楽しめて漢字が好きになると思います。漢和辞典編集者の経験からその独自の視点で全160の漢字の背景や用法をコラムとして収録、漢字の面白さを存分に提供してくれる一冊です。

今回はごく一部しか紹介できませんでしたが、私は普段から漢字に関してわからないことがあったら、すぐに調べて理解するようにしています。また、時に何気なく観ているテレビ画面のテロッ プや街中の看板、ディスプレイに目を留め、誤字脱字などの間違い探しをするのも面白いので、暇つぶしにおすすめですよ。 日本人にとっては切っても切れない関係といえる漢字の世界は突き詰めるにはかなり奥が深いですが、親しみをもって触れてみるとこれまでとは違ったみえ方が広がると思っています。 特に物語の中では、ストーリーを楽しんだり描写を思い浮かべる楽しさがありますが、心を動かされる漢字やその文章を探してみるのも一つの楽しみ方だと思うので、是非一度やってみてください。


 
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