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メトロニュース
2013.12/9発行 No.223  
特集 版元さんリレーエッセイ ぶくぶくコラム ステンドグラス

ぶくぶくコラム
長崎市 上野啓典様

独特のハスキーボイスにオカッパを少し長くしたヘアスタイル、パンタロン姿で白いギターを抱えて夜の底から突然現れた藤圭子は、昭和40年代の世相を象徴するスターの一人だろう。「新宿の女」でデビューし、「女のブルース」「圭子の夢は夜ひらく」など無表情なマスクで、暗い過去を怨念をこめて歌いあげた。
  同い年の僕は彼女の暗さが非常に好きだった。彼女がデビューしたころ僕は高校生だったが、大学時代、京都にいた頃「好きな歌手は?」ときかれると、「藤圭子」と答えていたため、下宿のおばさんも彼女がテレビに出ていると、わざわざ僕を自分の部屋に呼んで、テレビを見せてくれた。
  藤圭子のファーストアルバム「新宿の女」とセカンドアルバム「女のブルース」の両アルバムは昭和45年3月から46年1月までアルバムチャート42週連続1位という前人未踏の記録を打ち立てた。
  そして今年8月22日、突然の訃報。そこで僕は『きずな』(石坂まさを、文芸春秋、1,470円)と『流星ひとつ』(沢木耕太郎、新潮社、1,575円)を読んだ。

 前者は作詞・作曲家で藤圭子の育ての親でマネージャーでもあった著者の藤圭子と同様に壮絶な人生の自叙伝である。彼女との出会いからデビュー曲「新宿の女」の誕生秘話、スターになった軌跡、そして別れ。また宇多田ヒカルのことも書いてある。後者は著者が藤圭子が引退を決める28歳の頃にインタビューしていたものである。その中で、「デビューして無心に歌っている時の方が良かった」「喉を手術してから、自分本来の声が出せなくなり思うように歌えなくなった」等、前川清との離婚のことも話している。
  2冊を読了してこう思った。石坂まさを、藤圭子とも母親と一心同体の関係にあったんだ。あの
美空ひばりのようにと。
  他に『悲しき歌姫』(藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾)(大下英治、イーストプレス、1,575円 )も出ているようなので、読んでみようと思っている。

『きずな』
石坂まさを
(文芸春秋、1,470円)
『流星ひとつ』
沢木耕太郎
(新潮社、1,575円)
『悲しき歌姫』
大下英治
(イーストプレス、1,575円)

*編集部より。上野様ありがとうございました。
藤圭子の自殺にも驚きましたが、沢木耕太郎のこの本の発売にも驚きました。藤圭子ってすごい歌手だったんだな、と改めて感じました。
 
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