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今月のメトロニュース
2011.8/5発行 No.206  
特集 版元さんリレーエッセイ ぶくぶくコラム 編集後記

版元さんリレーエッセイ

「祥伝社 河波 雄大 様」
 はじめまして。祥伝社販売部の河波と申します。祥伝社の祥という字は「めでたい」という意味だそうでして、本や雑誌の読者の方々に少しでも良い知らせを届けたいという精神で日々仕事をしております。
  本の仕事をしていて面白いと思うのは、何を面白いかと思うかが人によって全然ちがうということです。物凄く売れる本を嫌いな人がいたり、誰も相手にしなかった本を熱烈に愛している人を目の当たりにすると、この仕事の面白さと難しさを痛感します。短いながらも出版営業を経験してわかったことは、本は人が面白がると価値が変わるということです。考えてみると当たり前の話なのですが、面白い本などというものは本当は存在せず、本と、それを面白がる人がいるだけです。本というのはその本を支持する人の数と、本を好きな人の感情の深さの倍数で価値が決まってくるように思います。
  本の価値を決める変数ふたつのうち、本を支持した人の数はすぐに調べることができますが、一人ひとりの本に対する感情の深さはその人に語ってもらうまでなかなかわかりません。この難しさを無視して「好みはやっぱり人それぞれ」というのは簡単ですが、同じ「面白い」にも深さの差は明確にあると思います。私はそんな目に見えにくい感情の深さを時間に換算してみてはどうか、とよく思います。ある本の面白さは、その本に人が捧げた時間の差で表すことができる。なにかと売上至上主義になりがちな営業という仕事で、私が大事にしたいと思うことです。ぜひこんど、書店にお立ちよりの際にはその本が「いま売れているか」だけでなく「ずっと置いてあるか」「POPに気合が溢れているか」といった点も確かめてみてください。きっとヘンテコでいい本が見つかるはずです。
  などと熱く語っているあいだに本を推薦するスペースがなくなってしまいました。最後にひとつだけ、私が大切にしている言葉を紹介してこの暑苦しい原稿を終わりにしたいと思います。社会学者マックス・ウェーバーが講演で学生に語った言葉です。
  「なぜなら、いやしくも人間としての自覚あるものにとって、情熱なしになしうるすべては、無価値だからである」(『職業としての学問』)
職業としての学問
『職業としての学問』
マックス・ウェーバー
岩波書店
\420


【河波様プロフィール】
 1981年福岡県生まれ。 今年で30歳。棒アイスのガリガリ君と同い年です。営業担当エリアは神奈川県と、京都を除く近畿地区。
  妻の実家が長崎にあるので、特急「かもめ」に乗る前にいつも寄るメトロ書店本店にこの記事が並ぶのかと思うとドキドキします。


 
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