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今月のメトロニュース
2011.6/5発行 No.204  
特集 版元さんリレーエッセイ ぶくぶくコラム ステンドグラス

版元さんリレーエッセイ

「東京創元社 石川 隆啓 様」
 はじめまして、東京創元社の石川と申します。昨年より九州地区の営業を担当させていただいています。こういった事を書かせていただく機会はめったにないのでつたない文章になるかと思いますが、今回は大切な作家について書かせていただきます。  2009年の3月、伊藤計劃というこれからの日本のSF界を背負って立つことになったであろう一人の作家が34歳という若さでこの世を去りました。最初に訃報を聞いた時のショックの大きさは一生忘れる事はないでしょう。彼が作家としてデビューしてから亡くなるまでの期間はわずか2年間。癌という病気を抱え、時には闘病生活をしながらの執筆であったと聞きます。SFというジャンルを越えて、彼は日本の小説界に大きなインパクトを残しました。ゼロ年代最高の作家のひとりだと私は胸を張って言えます。自社でも伊藤計劃の長編作品を出すことができたならいいなとずっと思い続けていて、ある時編集者に言ったこともありましたが結局は叶いませんでした。
  早川書房さんから刊行されているオリジナル長編の『虐殺器官』(早川書房、756円)、『ハーモニー』(早川書房、756円)は親本のJコレクションと文庫版をあわせると、2作品でかれこれ20冊くらいは買い直していると思います。(特に『虐殺器官』の文庫版は解説もとても心に残るもので、親本を持っている方でも、解説を読む為だけでも買い直す価値があると思います。) 貸したまま戻ってこないのであきらめて買い直したり、本が好きな友人の誕生日等にプレゼントしたことも何度もありました。人には好き嫌いというものがありますのできっと気に入らないと思う方もいるでしょう。しかしそれは読んだひとりひとりが決めれば良いこと。日本に伊藤計劃という作家がいたという事が一人でも多くの心の中に残り続けてほしいと願うばかりです。未読の方はぜひこの2冊を読んでみてください。また弊社で刊行しているSFアンソロジーにも短編が収録されておりますのでお手にとっていただけたら幸いです。
  先日、ペーパーバックとして海外に翻訳された第2長編の『ハーモニー』がフィリップ・K・ディック賞の特別賞を受賞しました。日本のSF作品が海外の権威あるSF賞を受賞したのははじめてのこと。発表後、twitter上で友人達が「受賞おめでとう!」と口々につぶやいていたのがとても心に残っています。くりかえし周囲に薦めてきた甲斐もあったのかなと。

 
『虐殺器官』
伊藤計劃
早川書房
\756

 
『ハーモニー』
伊藤計劃
早川書房
\756

【石川様プロフィール】
1982年生まれ。東京生まれ、東京育ち。九州・四国・中国地方を担当させていただいております。
  趣味は音楽。もっぱら聴く方です。CDは2500枚ほど所有。あまりにも面倒なので、最近2台持ちのiPodを1台に減らしました。

 
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