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2010.8/5発行 No.194  
特集 版元さんリレーエッセイ ぶくぶくコラム

ぶくぶくコラム
『 福岡県粕屋郡 T様 』
春樹を知らずに春樹を語るということ
 『1Q84 book@〜B』(村上 春樹、新潮社、@A1890円・B1995円)売れているそうですね。
 22年前、『ノルウェイの森 上・下』(村上春樹、講談社、540円)がやはり大ブーム。 若い私は、その波に乗りハードカバーを購入。はじめて読んだ村上春樹でした。読後、腹が立ったことは今でも覚えています。
 例えばどんなところ…?1つだけ挙げてみます。作者は主人公の男性を今で言うところの草食男子風に描いているよう(それでいて、もてる)。でも、私が思いうかべてしまうのは、コットンパンツがぴっちりした小太りの理屈っぽい大学生なのでした。それでも、年末公開予定の映画で、主人公を演じるのは松山ケンイチ。読む人によって登場人物のイメージは違うというところでしょうか。
 その後読んだ『風の歌を聴け』(村上 春樹、講談社、400円)は好みだったものの、それでも村上春樹の他の小説を手に取ることはありませんでした。
 またかなり前に、ananに連載していた上手いけれど生温い感じのエッセイが余り好きではなかった(最近また連載されてますね)。それでも春樹の言葉選びの繊細さは知っているつもりです。
 例えば、訳書のカポーティの短編集『誕生日の子どもたち』(著:トルーマン カポーティ・翻訳:村上 春樹、文藝春秋、1700円)に含まれている作品「無頭の鷹」、別の二人の訳者でも読みましたが、村上春樹の翻訳が最も優れていると思います。
 そしてチャンドラー『ロング・グッドバイ』(著:レイモンド・チャンドラー、翻訳:村上 春樹、早川書房、2000円)。 この本にはほんとうに心を動かされてしまいました。これは原作が傑作というのもあるけれど、春樹の翻訳の力が大きいのではないか。あとがきがまた素晴らしい。このあとがきを読むと、春樹は文学者として超一流なのだろうと感じてしまう。また『やがて哀しき外国語』(村上 春樹、講談社、540円)や『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上 春樹、文藝春秋、540円)は思索と実践の結晶とも言えるようなエッセイ。読んでいて面白いし。そして春樹訳『ティファニーで朝食を』(著:トルーマン カポーティ、翻訳:村上 春樹、新潮社、580円)。これは旧訳のほうが私にはしっくりくる。
 どうも女性読者を想定しすぎているように思えるときの村上春樹が、私は好きでないようです。でも、その著作の多くを読まずに春樹について語る私は、ふつうのファンより春樹の虜なのかもしれません。

1q84
ロング・グッドバイ
走ることについて語るときに僕の語ること
『1Q84 book@〜B』
村上 春樹、新潮社
@A1890円・B1995円
『ロング・グッドバイ』
著:レイモンド・チャンドラー
翻訳:村上 春樹、早川書房
2000円
『走ることについて語るときに僕の語ること』
村上 春樹、文藝春秋
540円

    
 
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