メトロニュース
今月のメトロニュース
Back Number
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年以前
 
原稿募集中!!
Metro Group Links
メトロ書店
メトロ書店神戸御影店
メトロブッククラブ
MMCメトロミステリー倶楽部
MOCめとろおやこくらぶ

 
メトロニュース
2009.10/5発行 No.184  
特集 ぶくぶくコラム メトロカルチャーレポート

ぶくぶくコラム
『 松本清朝、生誕100年ですね   福岡県 T・T様 』

  眠れない夜、或いは移動中の電車で。そんなときに何か読むなら、松本清張はうってつけな作家だと思う。文章がクリアで、話の運びが巧みだから、サラリと読めてしまう。ふとした(ときに下世話気味の)好奇心から、世の中の思いがけない場面にぶつかり、巻き込まれてしまう登場人物。読んでいるこちらも、家の壁の外にだれかが息をひそめているような、乗っている車両に自分を見張っている人がいるような、そんなうっすらとした怖さを感じる。特に米倉涼子が演じた『黒革の手帳 上・下』(新潮社、各¥580)の原作は恐ろしい。
  また、多くの作品で公衆電話が大活躍し、30過ぎの女性が「年増女」と称されてしまう。この「昭和」ぶりが、今では作品の妙となっている。
  強く印象に残っている作品は、清張ブームとなった『点と線』(新潮社¥460)、 哀しく美しい『啾々吟』(新潮社 西郷札傑作短編集3より、¥660)、カポーティ風の『草笛』(新潮社 黒地の絵傑作短編集2より,、¥700)、清張作品のエッセンスがつまっている『天才画の女』(新潮社、¥ 500)、恋愛物ならば『砂漠の塩』(新潮社、¥580 )、筋よりも、ある登場人物の人物造形が心に残る『彩り河 上・下』(文藝春秋、各¥580)、 そして、落ち込んでいる時に是非読んでほしいのは『真贋の森』(中央公論新社、¥ 660)である。


  松本清張の作品は理知の視線で貫かれているから、どうしても「公正な世の中」への諦念が作品の大きな主題となっている。けれど、同時に欠片のような良心や希望がその物語の中にかいまみえる。風俗は古びても、その主題が時代遅れになることはないように思う。
  先日は小倉の「松本清張記念館」に行ってきた。清張に変身した自分の姿がモニターに写る「なりきり清張さん」なるコーナーができていた。
    

 
メトロニュース編集部 〒850-0862 長崎市出島町5-2 川崎興産株式会社メトロ書店 本社ビル1F
TEL:095-826-0433 FAX:095-824-6977 news@metrobooks.co.jp
Copyright 2008-2012 Metro News All Rights Reserved.