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今月のメトロニュース
2009.7/5発行 No.181  
特集 版元さんリレーエッセイ ステンドグラス

版元さんリレーエッセイ

「 光文社 S 様 」

  弊社の新書『難解な本を読む技術』(高田明典、光文社、861円)に、こうあります。「わずか800円程度の本で人生観が変わるような体験をできる場合もありますが、たとえば800円で旅行しようとしても、おそらくロクな旅行はできません」。   まったくその通り! だから勝手に「不況だから読書で旅行した気になろう」フェアを推奨。平台は以下の3点。
まず国内旅行から。普通の旅行じゃナニですから、今はもう失われた日本の風景を覗いてみましょう。つげ義春『苦節十年記/旅籠の思い出』(筑摩書房、998円)。
  筑摩文庫のつげ義春コレクションのうちでマンガでない唯一の本。昭和四十年代の旅日記は絶品ですよー。本はタイムマシンにもなるんですね。
次は自動車の旅、絲山秋子『逃亡くそたわけ』(講談社、420円)。
  比較的初期の長編ですが僕的にはベストオブ絲山。躁鬱病の「あたし」が鬱病の青年「なごやん」を道連れに福岡の精神病院から脱走、おんぼろのマツダに乗って九州の南を目指す、というロードムービー小説。高速道路じゃなくて3桁国道をずりずり走るんですが、移動してる感がすごくあって、読んでて疲れます。あと、絲山さんは病気書くの上手いですね。『ばかもの』(絲山 秋子、新潮社、1365円)のアルコール依存症もすごかったし。
  僕も鬱病の経験あるんですが、『逃亡くそたわけ』の描写は読んでて心拍数が上がるリアルさがありますね。なのになんだか爽快で、いろんな体験ができる本です。
最後、外国旅行。もうすぐ「ゴモラ」というイタリア映画が来るはずなんですが、その原作『死都ゴモラ』(ロベルト・サヴィアーノ、河出書房新社、2310円)。 ナポリを支配するカモーラというギャングの抗争を描いた翻訳NF。読みにくい文体ですが圧倒される内容です。「シティ・オブ・ゴッド」ってブラジル映画がありますがあれのイタリア版というか。こんな暴力的で荒涼としたイタリアの旅、どんな代理店も手配してくれませんよー。ていうか行くと命が危ないので本で体験するのがいいですね。
【S様プロフィール】
1965年生まれ。広島県生まれ、岡山育ち。中央区、港区、都下、兵庫県担当。
もう若くない…と実感し始めて1年くらい経ちます。でも中年ってのもナカナカ捨てたもんじゃないですね。



 
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