光文社 T様」
 
 3月も半ばになると、机の位置が変わったり、新しく増えたりの予感で、世間が浮ついた気分になります。僕はその雰囲気が好きです。
  思えば僕も、この会社に縁があり、販売促進部という部署に席をもらったのが1年前。その後はガムシャラにというか、目先のあわただしさに取り紛れ、己をふり返る暇もなく今日まで過ごしてきました。
  そして、本稿締切の今日、前任の渡辺から託された「メトロニュース」のバックナンバーに改めて目を通すうち、没頭していつの間にか日も暮れる中で(※今日は休日です)思うのは、これまでリレーエッセイを執筆された諸先輩方に名を連ねるのは、誇らしいが荷が重い! ということ。
  この機会に1年を振り返り、己の成長記録を開陳しようと考えていましたが、自分でも意外なほど貧相。よって、視点を転じ、ここからは抱負を述べるコーナーになります。
  最近よく目にする、書店・読書特集の雑誌は、読み返すと必ず新しい発見があるので、捨てずにとってあります。先日も、またハッとする一節に出会いました。
  光文社古典新訳文庫でも目覚ましい業績のある仏文学者の中条省平さんが、なじみの書店を訪ねる特集です。
  中条さんは言います。 「書店員さんと話をする関係(中略)を築けたら、それはひとつの財産になると思うんです」
  この一節を何ヶ月振りかで読み返したとき、わずか1年間でもずいぶんな量になった名刺の束を思いました。そして、中でも「財産」といえる、何人かのよきアドバイザーである書店員さんの顔も。メトロ書店さんのようにお客様とのコミュニケーションを大切にされている書店ならともかく、本来、そんな関係を築くのはちょっと大変だと思います。その点でも、私は今の仕事が好きです。
  もちろん、それも営業マンである以上、いい情報を提供し、自社の本を置いていただいてナンボの関係。書店の袋を抱えホクホクと店を出たとたん、自分の職務に気付くのは止さなければならない、と考えています。

T様プロフィール
 昭和57年、大阪府堺市生まれ。昨年10月より九州地区担当。九州の地を踏むのは、中学の修学旅行以来。次の訪問を心待ちにしている。
メトロニュース Copyrightc 2008 Metro News All Rights Reserved.
このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。