「もうすぐクリスマス」
 
 長崎では、今県内に多数ある教会群を世界遺産に登録しようという動きがある。
 先日テレビで各地に残る教会を取材していた。過疎化の波で今は無人島となった島にひっそりと佇む主の居ない教会。朽ち果て荒れ果てていた教会をかつての信者たちが修復し、定期的に祈りを捧げにに来ていると言う。無人の島のそこだけ妙に綺麗な教会のステンドグラスに光が射して、祈る老人たちの上に鮮やかな影を落としていた。禁教の四百年の間信仰を守ってきた長崎の信徒たち。子々孫々とこの長きに渡って伝えていくなど、世界では類を見ない。当時、信徒発見のニュースにバチカンはさぞや驚いたことだろう。
 来客などで、時々外海の遠藤周作記念館に行くことがあるが、車でも遠いと感じるあの地までキリシタン弾圧の役人の手が伸びたというのだから、信仰を守るほうも取り締まるほうもどちらも命がけだったに相違ない。
  12月といえば、今では師走というよりクリスマス。サンタさんのプレゼントやバーゲンに日本中が浮かれてしまっている。幼子キリストが産まれた日、というより子供にとってはサンタさんが来る日。大人にとってはパーティやデート。なんでも有りの日本である。
 その昔、信仰という心のよりどころ、目に見えないスピリチャルなものを命より大切にしていた長崎のひとたちが居たことに思いを馳せ、クリスマスの本当の意味を考えてみても良いのではないだろうか。
 
メトロ書店専務 川崎紀子
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