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メトロ書店専務 川崎紀子

「奇跡の自転車」(ロン・マクラーティ、新潮社、2730円)

数年前、メトロミステリー倶楽部で新潮社の編集者をお招きし、「羊たちの沈黙」の続編「ハンニバル」についてお話しを聞く機会があった。その時お話をしてくださった若井孝太さんから表題のゲラ刷り本をお送りいただいた。

表紙には「スティーヴン・キング氏絶賛、ワーナーブラザースで映画化決定」とあった。
この「奇跡の自転車」の主人公は四十三歳の独身男性。体重126キロで、ベトナム戦争で重傷を負い、酒びたりの生活を送っている。両親を突然交通事故で失ったうえに、たった一人の姉の訃報を聞いて、はるばるカリフォルニアへ赴くいわゆるロードノヴェルだ。
子供の頃に乗っていた自転車を引っ張り出して長い旅が始まるが、さまざまな出会いの中で思い出す過去の出来事が、フラッシュのように物語に挿入される。旅の最後に待っていた変わり果てた姉の姿。
長い時間をかけて大陸を横断する間に主人公の心も体も再生されると言う話である。

映画化されたら誰が姉(重要な中心人物)の役をやるのか、また主人公役は誰だろうか?まさかまたトム・ハンクスではあるまいな、などと、あれこれ思いながら読み終えた。

「痛み」を知るすべての方々へと、本には書いてあった。

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