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2006年3月5日号・第142号 news@metrobooks.co.jp(←投稿はこちらへ)

諫早在住の詩人・松田純子さんに聞く
〜詩人の詩的★素敵生活〜

今月は諫早市にお住まいの詩人松田純子さん(33歳)をご紹介します。
 松田さんは愛知県生まれの東京育ち、ご結婚されて諫早に5年半前から住んでいらっしゃいます。
 2000年新風舎TILL第3回ティレンナーレグランプリ受賞。
詩集『フルーツバスケット』(碧天舎、1050円、2004年)で碧天舎「詩・伝えたい言葉コンテスト」大賞受賞。第19回長崎県文学賞の「長崎県文学新人賞」を受賞。そして新風舎第21回出版賞ポエトリー部門最優秀賞を受賞され、昨年『自然に』(新風舎、1575円)を刊行されました。また小説が平成17年度九州芸術祭文学賞の長崎県代表に選ばれるなど、多彩な活躍をしていらっしゃいます。
 詩人は普段どんな生活をしているのか?書けば書くほど文学賞を受賞するその秘訣は?直接インタビューさせていただきました。

―詩を書き始めるようになったのはいつ頃ですか?
 26歳のときです。仕事帰りに寄った本屋さんで「公募ガイド」を見つけて、何だろこの雑誌は、と中を読んでみると、「詩」募集とあったので・・・。それがきっかけで書くようになりました。

―それまでは詩は書いていなかったのですか?
 全然書いたことはありませんでした。日記だけは幼稚園の頃から毎日つけていましたが、それも別に詩をつづるわけではなく、普通の日記でした。結婚するときに全部捨てちゃいましたが(笑)

―子ども時代、言葉に興味を持っていたことは?
 読書は大好きでした。父が神田の会社に勤めていたので、いつも本を買ってきてくれました。でも小学校5年生のときに、「難しい本読んできどってる」というようなことを友達から言われ、それでぱったりやめてしまったのです。それが再開されるのは20歳のとき、村上春樹さんの『風の歌を聴け』(講談社、400円)に出会ってからです。また、母がよく手紙を書いているのを見て、手紙を書く習慣はありました。言葉に心をこめることの難しさは、幼いながらにも感じていました。今も本はよく読んでいます。<本>という物体が好きです。

―学生時代のご専攻は?
 専攻は演劇で、日本の古典芸能のゼミでした。(卒論のテーマは相撲です)卒業後は早稲田大学演劇博物館で古文書や古い本や絵を修復する仕事をしていました。数年勤めたあとは外務省外交史料館でも同じような修復の作業をしていました。来る日も来る日も古い資料と格闘していました。

―普段はどのような生活を?
 普通の生活ですよ。数年前から手話の勉強をしていて今年から市の手話奉仕員として登録しています。

―どんなときに詩を作るのですか?
 私の場合、一日に一度は必ずパソコンに向かい、あるいは紙を用意して、「書くぞ」と決めて書くほうです。

―一作目が「フルーツ」、二作目が「自然」。詩のテーマはどのように決めているのですか?
 まずこれ、というテーマを決めます。そこから連想される単語をいくつかピックアップし、その単語をもとに詩を作っていきます。

―詩をつくるときにこうしようと思っていることは? 
 頭の中に浮かんでいる映像を詩にしようとしています。読んでみてその映像がはっきりみえてくるまで言葉を選びます。同じ言葉でも漢字にするか、ひらがなにするか、カタカナにするかで全然違ってきます。

―松田さんの詩はただ甘いだけじゃなくて、ピリッときいている部分もあり、そこが魅力的だと思うのですが。
 特に意識してしているわけではありませんが、ネガティブな部分や<陰>の部分も詩には当然必要だと思います。出版社側から見ればまた違うのかも知れませんが。それからお説教くさくならないように心がけています。私の詩を読んで「そう、そう」と共感してもらえるような作品にしたいですね。

―今後の出版のご予定は?
 今年中に新風舎から2作出す予定です。今度のテーマは「体」です。「からだいっぱい」と「もっと、からだいっぱい」という作品を同時に刊行します。

―最後に、「詩」を書こうと思っている人へのアドバイスを。
 詩は自由なものです。自由に書いて言葉をおめかししてください。

―ありがとうございました。
(インタビュアー 本紙編集長鈴木綾子)

 始終笑顔をたやさない優しい雰囲気の松田純子さん。実はフラメンコ教室に通っていたり、学生時代はハードロックバンドを組んでいたりという意外な一面も。詩が好きな方も詩をあまり読んだことのない方もぜひ松田さんの詩を読んでみて下さい。きっと好きになってくるはずです。2作品ともメトロ書店にて好評発売中。 

「自然に」
(松田純子、新風舎、1575円)
「フルーツバスケット」
(松田純子、碧天舎、1050円)