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今月の特集へ 版元さんリレーエッセイ
ステンドグラス


 WAVE出版 K・A様

 最近、読書量が増えました。
冊数でいうと、以前の4倍〜5倍くらいでしょうか。超読書術を実践しているとか、仕事で必要に迫られてとか、読書の神が降りてきてとか、そういう格好いい理由からではなく、家にテレビがなくなったのが最大にして唯一の原因です。
 
 約2ヶ月前に引っ越したアパートは、窓が木枠だったりする昭和的レトロアパートで、偶然というか当然、テレビのアンテナが付いていません。テレビっ子の私は、それでも最初の頃は必死になって砂嵐の画面を観ていたのですが、さすがに疲れてきて、思い切ってテレビを捨ててみました。
 テレビを観ないと考え事をする時間が増えて、性格的にどうしても悪い妄想に取り憑かれてしまったりするので、「とりあえず読書して気を紛らわそう!」と思い立ち、狂ったように本を読み始めました。
 
 それからというもの、本代にお給料を投資し、積読していた本もすべて片付け、週刊紙も隅から隅まで読み込んだりして、活字を貪り読んでいます。出版社に勤務する人たちはこういう生活が当たり前なのだろうから、全く自慢にもならないし、今更お恥ずかしい話なんですが・・・。
 
 穂村弘さんのエッセイ『本当はちがうんだ日記』に、「家の近所の本屋のシャッターには『テレビは国を滅ぼす』『みるなテレビジョン』『テレビ悪』などと大書きされている。店主が自分で書いたのだ。暴走族のようにスプレーを使ったらしい。殴り書きの文字はインパクトがあるが、本屋ということを考えると内容的には一応筋が通っているとも云える。「本を読め」と遠回し(?)に云っているのだろう。」という記述があったのですが、確かにこの読書推進キャンペーンは、あながち間違った方向ではないなぁと、思ってしまいました。私のような「なんとなくテレビ視聴者」はかなり多くて、その分読まれない本もたくさんあるでしょうから。恐るべし、だらだらテレビ時間。
 
 結果的に私は、テレビがなくなってすごく充実した毎日を過ごしています。読書時間が増えたことはもちろん、本や演劇や音楽や食事で感激する頻度が増えたように思うから。生活を主体的に楽しめるようになったような気がするのです。テレビがそんなに悪いものだとは思わないし、今でもテレビが観たいなぁと思うことはあるけれど、やっぱりこんなレトロなお部屋に住んでるんだから、生活もレトロなのがいいのかも、と思ったりしています。

 k・A様プロフィール
 197?年、静岡県生まれ。
 趣味:洋裁・観劇・人んちの本棚を眺めること


    
*編集部より:K・Aありがとうございました。来月は初!P社W様の予定です。お楽しみに。

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