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メトロ書店専務 川崎紀子 
「干し柿」
    専務取締役 川崎紀子

 幾つになっても元日は空気が引き締まって清々しく感じるのはなぜだろう。今年は何か良いこと、素敵なことが起こるかもしれないと希望に満ちた一日を過ごす。
 お正月の飾り方は地方で色々あると思うが、実家では必ず串柿を鏡餅の前に飾っていた。松の内を過ぎると、ちょっと硬くなった干し柿を食べさせてもらった記憶がある。幼い頃は甘いものが少なかったせいもあって、干し柿の甘さは心に残っている。
 昨年は柿の当り年だったらしく柿を沢山頂いた。
めずらしく渋柿も頂戴したので初めて干し柿を作ることになった。柿をくるくるむいていると、六歳の孫が「熱いお湯につけるんだよ」とそばで言った。なんでも園長先生がそう言ったとのこと。子どもの言うことだから真に受けず、そのままヒモにつるして干したら、後日干し柿名人の知人からその通りだと言われた。そうするとカビが出ないしヘタについているかもしれない虫の卵なども駆除できるそうだ。むかないで焼酎にヘタの方をつけて置いても甘くなるとか。色々な方法があるようだ。
 寒風が吹きすさぶ中、昼も夜も軒下にぶらさがってゆれている柿をときどき手でもんでやり立派な干し柿が出来た。あいにく喪中で鏡餅はないが亡き母上にお供えした。


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