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東京創元社営業部 Y・T様

  「バラノナマエを各3冊ください!」
 店頭で担当さんから注文され、私は思わず、「喜んでっ!」と居酒屋の店員のように威勢良く返事をしながら、右手は『薔薇の名前』と注文書に書きなぐる。担当さんはその書きなぐられた文字を見て、「すごい!」とひとこと。どうやら、私がすらすらと「薔薇」という漢字を書いたことに感心したらしい。正直、こういうシチュエーションはたまにある。しかし、自社のロングセラーの書名を正確に書けない営業マンは如何なものか。

 しかし、「薔薇」という漢字が書けても、私は最近、パソコンばかり使っているせいか、はたまた、齢が三十半ばを越えたせいか、漢字を忘れてしまうことが多い。先程、自社の書名を正確に云々、と偉そうに書いたばかりなのだが、お恥ずかしい話、同僚で名前に「慶」の付く者がいる。彼が入社して十年、私は未だに「慶」という漢字を正確に書くことが出来ない。そんな私は最近、店頭で学参
の棚を眺めては、漢字ドリルを物色している。

 ところで、漢字といえば、書店様からのFAXでの注文にも書名の誤字が多い。折角のご注文なので、笑うのは失礼かとは思うのだが、思わず吹き出してしまうような書名に変換されている場合もある。書店様の名誉のためにも、その場かぎりで忘れるようにしているのだが。例えば、十月に刊行した島田荘司著の『摩天楼の怪人』の場合、

「摩」を「魔」にして『魔天楼の怪人』

「楼」を「桜」にして『摩天桜の怪人』

「摩天楼」の部分に「マンハッタン」とご丁寧にルビ。
「摩天楼」と書いて、「マンハッタン」と読ます気持ちはわからなくもないが…。

 では最後にお薦めの一冊を。前述の島田荘司著『摩天楼の怪人』など如何?御手洗潔シリーズの最新作は六○○ページの超大作で読み応え充分のミステリー。店頭にない場合は”誤字の無きよう”ご注文を!

プロフィール

 東京都出身
 197?年生まれのB型
 学生時代の専攻は建築
 趣味は整理整頓


*Y様ありがとうございました。
良かった、メトロはほとんどコンピュータ注文なので。でも手書きの時は気をつけます。
次回は、W社のS様です。どうぞお楽しみに!

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