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2006年2月5日号・第140号 news@metrobooks.co.jp(←投稿はこちらへ)

旅行記が好きだ! 〜ママチャリ奮戦記〜
外商部 部長 野馬新司

  旅行記が好きだ。もう40年近く前の高校・大学時代、まだ海外旅行も簡単には出来なかった時代、そう当時は1ドル360円で今ではとても考えられないが、その頃に出た海外冒険物、無銭旅行記物等手当たり次第に読んだものだ。そしてあの名作・小田実の「何でも見てやろう」(講談社、¥730)に衝撃を受け、上温湯隆の「サハラに死す」(講談社、¥509)に感動したのを今でも覚えている。その後の名作といえば、やはり沢木耕太郎の「深夜特急」(新潮社)だ。第1便が出たのが1986年。第3便の完結編が出たのが約7年後でその間待ち遠しくて仕方なかった。

 特に第1便の香港・マカオでの物語(実体験)は面白くて面白くて何度読み返した事か。すっかりハマってしまった挙句私も実体験をしたくて一人香港・マカオに行き沢木と同じ道筋をたどった事もある。中でもカジノで有名なマカオリスボアホテルでの息詰まる「大・小」というサイコロ勝負の場面は何度読んでも興奮してしまった。少しでもその雰囲気を味わいたくて私も勿論やってみた。たいした金額ではなかったがいい思い出になっている
 
 
 それから20年近く過ぎた現在、手もとにある旅行記は「こぐこぐ自転車」(伊藤礼著、平凡社、¥1680)という変な本である。出たばかりの新刊でまだ読んではないが帯には「古希・還暦の仲間を引き連れ北海道自転車旅行を敢行」と記してある。楽しみに読もうと思う。
 そういえば一年前は「日本縦断徒歩の旅―65才の挑戦」(石川洋著・岩波新書、¥735)を読んでいる。どうも最近読む本はジジくさくて仕方ない。読み物も歳相応に変化するものと実感する。しかし「徒歩の旅」といい「自転車旅行」といい、まだまだ人生楽しめると夢もふくらんでくるから、すてたものでもない。

 ところでその「自転車」であるが、私もここ数年ハマっている。というより自転車のない生活は考えられないとまで思っている。事の始まりはこうだ。長崎に来て間もない頃、高台にあるスーパー・ミスターMAXでふと目にとまったバーゲン商品一台¥5980也のピカピカママチャリだった。これは安いと思わず買ってしまった。長崎の自宅から浦上経由で長崎名物の長い長い坂道をとことこ歩くこと30分、一人暮らしの必需品、鍋・釜・洗剤・タワシ等々を購入するのが目的だった。無事それらを買い揃え、おまけに運搬用ママチャリもゲットし帰路についたのだが待っていたのは思ってもいなかった快感だった。苦労して登って来た長い坂道をピカピカのママチャリで一気に下ることわずか5分。気持いいの何の、思わず「気分爽快、ああそうかい」と言ってしまったほどだ。これが病みつきになってしまった。
 今度の休日は思いっきり長い坂道を下ってみようと決め即実行に移す事にした。坂道には事欠かない長崎だが第1回目の挑戦は海が見たいという思いもあり「あぐりの丘」から一気に「式見」まで下るというコース。ただこの時点では長い坂を下る為には当然のことながら長い登りがあるということをあまり意識していなかった。
 いよいよスタート、朝7時、住吉経由、滑石(なめし)まで多少の登り下りはあるもののスムーズだった。ところがここからが大変、あぐりの丘まで延々と上り坂が続き押せども押せども行き着かない。勿論自転車に乗ってこぐことなどとても出来ず押すばかり。やっとの思いで着いた時には汗びっしょり。大変な思いはしたが元々山登りは好きだし苦痛という程でもない。式見ハイツの景色の良い風呂で汗をながし、食事処で腹ごしらえもすませ、いよいよ一気に下りはじめる。どんどん景色は変わり海も見え出しやっぱり気分は最高。 こうして後は海沿いの登り下りを何度も繰り返し半日で約40kmを完走した次第。完走といっても時間的には7割は上り坂を押すばかりで、乗っているのはわずか3割程度。
 それ以降休日を利用しては長崎中あちこち走り回り、遠くは野母崎、熊本天草下田温泉(自転車も乗せられる茂木からのフェリー利用、残念ながら昨年運休になった)も日帰り圏内にしてしまった。途中温泉があれば入り、うまいもんがあれば飲み食い、景色のいい所で立ち止まり、楽しみはどんどん増えていった。よく頑張ってくれたママチャリも現在3代(台)目である。
 こうして約5年、自転車だったから気がついたことが多々ある。車では見過ごしてしまう景色だったり、安くて美味いところだったり、車優先の道路事情だったりといろいろ。そこで私の独断と偏見で「長崎なんでんかんでんベストスリー」を少し紹介してみよう。
まず「長崎海の景色ベスト3」
@野母崎に行く途中、黒浜の手前の岳路(たけろ)というバス停付近から見る景色はすばらしい。 
 正面に野島、黒島、伊王島と並び、左に高島、軍艦島、右に香焼が一望のもとに見渡せ、本当にきれいだ。
 特に天気の良い日の午前中がおすすめだ。
A柿泊町の弁天白浜海水浴場はご存知のかたも多いと思いますが、 ここも上の車道、弁天白浜バス 停付近から見下ろす景色が最高。
 白い砂浜、洞窟、奇岩と楽しめる。ただ正面の防波テトラポットが邪魔ではある。
 ここでもうひとつ良いのが昨年?完成した手熊の漁港から海水浴場までの海沿いの遊歩道だ。景色も勿論いいが設備も整っている。
 特に立派なバーベキュー釜が数ヶ所設置され無料で年中利用できる(と思う)。
B身近な所では小ヶ倉・戸町の499号線の工場・倉庫群裏の岸壁から見る景色。
 正面に高鉾島、 神ノ島、左手は三菱香焼造船所、 伊王島、右手は開通したばかりの女神大橋となかなか良い。
 また女神大橋からの眺めも雄大だ。
 徒歩無料、自転車10円であるから一度は健康のためにも歩いてみてはどうだろう。但し橋上までの登りはかなりあります。

 とまあここまでだらだら書いてしまったので紙面の余裕が無くなってしまった。まだまだママチャリで発見した独断と偏見のベスト3はあるが機会があればまた紹介したい。例えば「安くてうまい食べものやベスト3」、「ママチャリでもいける身近な温泉ベスト3」、「自転車で出会った不思議体験ベスト3」等々・・・。

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