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このコーナーでは、お客様から寄せられた本に関するコラムをご紹介しています。
長崎市 城見きみ子 様

 人生には正に、信じられないことが起きるものだ。この私が本を出すなんて…。以前、エイプリールフールで「わたし本出したよ。」と何度か言ったことはある。嘘つきは作家の始まりなのか?今回の出版劇も私の冗談に端を発していた。
 一昨年の秋、中国の雲南省と貴州省に12日間の一人旅をした。それが、かつて経験したことのないような愉快な旅だったので、忘れないうちにと思い文章を書き始めた。冊子にして友人たちに読んでもらいたかったのだ。
 ある日兄に「『○○社』から本出すよ。」と軽く言ったところ、「ドリームズカムトゥルーだ。」と真剣な表情で出版を勧める。更に、筆が滞る間もなく「お仕事してるか?」と俄編集者に変貌するのだった。また、夫に未完の文章を見せると「文章になってない!」と手厳しい。そうは言いながらもいくつかの助言をしてくれた。こうして身内のマジックにかかり、私もその気になってしまった。05年の年始めに博多で文芸社(大手個人出版社)の出張相談会があり、そこへ途中まで書いた原稿を持ち寄った。意外なことに、写真と文章の好評をいただき、それから3週間後には「協力出版」が決まった。企画部や編集者の方々にお世話になりながら二度の校正を経て、8月、夢に見た出版が現実のものとなった。この間、過去最も多く国語辞典を引き、最も長くワープロに向かった。本ができるまでの時間を共有し、過程を知ることができた。出来上がった本にはもちろん感動したが、初校を手にしたときのトキメキも言葉にならない程だった。店頭に積まれた拙著「雲南ひとり旅」を見て、56才にして我が子を得たような喜びに浸った。私みたいな普通のおばさんも自分の本が出せる。こんな時代に生きていられてよかったと思う。
 皆さん、本の出版は他人事ではありません。貴女にもきっとできます。

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