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版元さんリレーエッセイ
ステンドグラス
 
メトロ書店専務 川崎紀子
「カリブの海」

ある日何気なくパンフレットを見ていた夫が「これにお母さんと行ってくれば?」と言った。それには「世界最大豪華客船処女航海のカリブ海クルーズ」とあった。 見知らぬ土地へ嫁して秋には丸35年を迎えるが、長い間の艱難辛苦!「有難う」の一言も言わない夫からの予期せぬご褒美だった。

6月初旬、母と私は初めての親子水入らずの旅へ出た。出航地のマイアミに停泊していた15万8千トンの「FREEDOM of the SEAS号」は、まるでビルのようだった。船内には2フロアーの劇場、シアター、ショッピングアーケード、数々のレストランやバー。最上階には様々なプールがあり、中には波を起こしてサーフィンができるものもあった。ロッククライミングの壁や、フィットネスセンターも完備。船の下部にはなんとアイススケートリンクまであり、本格的なアイスショーも公演していた。

7日間の船旅はまずメキシコのマヤの遺跡があるトゥルムに始まり、コロンブスが名づけた青ウミガメの生息地、グランドケイマン(カリブの海賊の根城だった島)などに寄港し、最終地は船会社のプライベートビーチで半日過ごした。
パラセーリングやダイビングをしている若い人たちを横目に、木陰で涼む母を残して一人で泳いだが、連れのいない海水浴ほどつまらないものはなかった。カリブの海は船から見ると青くきれいだったが、泳いでみると透明度もなくちょっとがっかり。

さて夏休みに入った頃、家族で高浜海水浴場(長崎市郊外)へ行ったが、長崎の海はカリブの海よりずっと透明度があってきれいだった。


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