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ステンドグラス メトロ川柳
講談社 F・Nさま

 長崎県の方は良くご存知だと思いますが、佐藤正午さんという佐世保市在住の作家さんがいます。確か3年ほど前に、メトロ書店本店でサイン会も実施してますよね。私、佐藤さんの大ファンなのです。恋愛小説・ギャンブル小説の名手として知られていますが、その独特の「気だるい空気」というか「さりげなさ」みたいなものが佐藤作品のいちばんの魅力なのだと思います。
 私が文芸書の販売を担当していたときのこと。佐藤さん担当のベテラン編集者Kが、私のところにきて曰く、「いま、佐藤さんに書き下ろしの小説を依頼してるんだけど、なかなか思うように進まなくてねー。でも絶対出すからね。そのときはたくさん売ってくれよ。よろしく。」

  ファンとしては期待に胸を膨らませ、販売担当としては鼻息も荒く気合がはいります。その後、Kに会うたびに原稿の進み具合を尋ねたものです。そのたびにKは、
「うーん、各出版社の編集者から佐藤さんのところに原稿依頼が殺到していてね。『ジャンプ』がベストセラーになってからは特に多くてねー。」
「いや、佐藤さんは毎日書いてるんだよー。でも彼にとっては競輪やお酒も大切な日課なんだよー。」
といった調子です。
 私が「なんとか早く出してください。売りたいんです。」と迫ると、
「オレだって出したいよー。ほんとに出したいんだよー。」と嘆き節で返される始末。
 そんなこんなで3年が経ち・・・。昨年Kは、講談社を無事定年退職いたしました。私も文芸書の販売部から現在の部署へ異動となりました。
 
 販売促進担当として長崎県を担当させていただくことになり、佐世保地区の書店さんへも何度か訪問いたしました。佐藤正午コーナーを作っている書店さんもいくつかあり、「この中にうちからの新刊がならんでるはずなのになー」などと思いつつ、日々営業活動をしております。
 新刊がなかなか出ないもどかしさはありますが、いつ出るかわからないものを気長に待ちつつ、既刊の作品群をまた読み直してみるというのも、ファンとしてのひとつの楽しみ方なのかもしれませんね

F・Nさまプロフィール
1963年生まれ かに座 A型
 学生時代にはラグビーで鍛えた体が自慢だったが、30歳をすぎてからは筋肉がすべて脂肪となり現在に至る。

*FN様ありがとうございました。佐藤正午先生サイン会でお会いした印象は「自然体」・・・。最新刊エッセイ集『豚を盗む』岩波書店先月発売されました。来月はHB社N様の予定です。

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