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今月の特集へ 版元さんリレーエッセイ
ステンドグラス
幻冬舎 営業部 O・Kさま

 職業がら当然だが、毎日のように本屋さんに行く。仕事のときもあればプライベートのときもある。店内で自社の商品の売れ具合を確認して、それからは時間が許す限り他社の商品を物色している。文庫、単行本、雑誌とジャンルを関係なく店内のすみずみまで歩き回って、バッグが重くなるのはわかっているのについ買ってしまう。何を買おうかと思案していると、にぎわっている児童書売り場から子供たちの嬌声が聞こえてきた。年の瀬から正月にかけてどのお店も児童書売場は特に込み合っていたようだ。
 
 私事を披露するのは恐縮だが、子供の頃から本が好きだった。私は町に本屋さんが二軒しかないような北関東の片田舎で生まれ育った。家は小さな商売をしていた。忙しい父親がたまに唯一連れて行ってくれたのが、町の本屋さんだった。まったく裕福な家ではなかったが、本なら何でも買ってくれたのが嬉しかった。自動ドアなどない小さな店の、ポスターやチラシがべたべたと貼られた重いドアを開けるときのなんとも言えないような高揚感は今でも覚えている。以来、中学、高校は部活動三昧、大学時代はバイトばかりの日々だったが、どんなときにも本が身の回りにあった。そして、明確な理由もなく何となくだが就職先に出版社も選んでいた。
 
 本屋さんで熱心に本を選んでいる子供たちの顔を見ると、つい嬉しくなる。そして、本に携わる仕事ができていることを少しだけ誇らしく思う。

 先生や親が薦めるいわゆる「良書」でなくても、自分で興味のままに迷いながら探せば必ず面白い本に出合えるはずだ。昨今、子供たちの笑顔がなくなるような事件が後を経たない。照れ臭いが、すべての子供たち一人一人にそれぞれ素敵な本を、と心から思う。

O・Kさまプロフィール
1968年生まれ。名前は女性みたいですが、男です。
2004年は年男でした。「出版サルの会」に誰か入ってくれませんか? 女性のみ募集中です(応相談)。
★昨秋から九州担当になりました。今夜は予定が空いてます。誰か誘ってください。


★編集長より:O・K様ありがとうございました。、素敵な子供時代の思い出ですね。来月号もお楽しみに! 当コラムでは出版社ご担当者様からの原稿をお待ちしております。編集長から突撃依頼させていただく場合もございますので、よろしくお願いいたします♪

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