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ブクブクコラム ステンドグラス

2005年8月5日号・第134号 news@metrobooks.co.jp(←投稿はこちらへ)

本店 ビジネス・専門書担当 吉田裕
数学とはかくも難しいものなのか?
 四本のマッチ棒でできたグラスにサクランボが入っています。2本のマッチ棒を動かして、サクランボをグラスから出してください(グラスの形は壊さないで)。

 さてみなさん、この図形パズル解けましたか?もしすぐに解けたなら、あなたの脳はなかなかに柔らかいです。そういえば最近こういうひらめき系の直感パズルをテレビなどでよく目にしますね。一見数学とは関係ないように見えますが、実はそんなことはないのです。
 多くの人は「数学なんて難しくて、生きていくうえで何の役にも立たないよ!」なんて思っているのではないでしょうか?いやいや確かに僕もそう思います。数学なんてのは学生時代に無理やり勉強させられた記憶しかありません。授業中に立たされ黒板の前で四苦八苦したことを覚えてます。間違えようものなら先生が持っていた皮のムチでバシバシ叩かれ「痛いっ!痛いっ!あっ気持ちいい…やっぱり痛いっ!」と叫び声をあげていたのも今となってはいい思い出です。記憶の中の数学とは、「与えられた公式や定理を暗記して問題を解く」そんな退屈な作業でしかなかったように思います。
 しかし、今になって感じるのは社会は数字の世界であるということです。悲しいことに社会において「目標」「経過」「結果」などはすべてデータとして数字で表され、それにしたがい動かなければならないのです。数学が苦手な僕にとっては厳しい話です。
 もう少し早く数字に興味を持ち、数学を好きになっていればよかったかな、と最近ひしひしと感じるのです。今回はこんな僕にさえ数学を理解(?)させてくれるエレガントな本をいくつか紹介したいと思います。

 さて、まず店内を探して目についたのは
「数学はこんなところで役に立つ」(白取春彦、青春出版、¥1050)という本です。「数学なんて何の役にも立たないよ!」と思っていた僕にとってはまさにピッタシのタイトルの本です。中を見てみると「数学がわかると人生はもっとラクになる!トクする!面白くなる!」ということが図解でわかりやすく載っているではありませんか。「磁石がなくてももう迷わない方法」、「1個1000円のメロンと2個1200円の小さめのメロンどっちが得か!」など実に実用的です。売り場で見ればどうしても中くらいのメロン2個の方が量も多く見えますが、それは眼の錯覚です。数学を使って考えれば大きいメロン1個の方が圧倒的に量が多いことがわかるのです。僕はもうだまされません!もう1000円のメロンしか見えません!!



 次に見つけたのは
「面白くてやめられない直感パズル」(雅孝司、中経出版、¥1050)と「面白くてやめられない数学パズル」(沖田浩、中経出版、¥1050)という本です。この本にはひらめきを必要とする70以上のパズルが掲載されています。この本に載っているパズルには計算力などはいっさい必要ありません。パズルを解くのに必要なのは、数字・図形に対する感覚、ハッとひらめく直観力、柔軟な発想力、論理的な思考力です。難しい数式は一切関係なく、数学ギライもとりこになる頭のトレーニングです。自分で考えるから思考力がぐんぐん身につきます。最初に紹介したマッチ棒パズルもこの本に載っていたものです。答えを見て思わず「モヤっと!モヤっと!」と伊東四朗にボールを投げたくなるのは僕だけではないはずです。

 次に手に取ったのは
「マンガでわかる統計学」(高橋信、オーム社、¥2100)という本。統計学と聞くと、それだけでもう近寄りがたいイメージしかありませんが、この本はマンガでわかりやすく描かれているのでビギナーにも初歩の初歩から理解することができます。基準値・偏差値、平均・ヒストグラム、相関比など章ごとに詳しく解説されており、それらの使い方がとても身近な事例で紹介されています。例えばボーリングのスコア計算、年齢と好きな洋服ブランドの違いなど、難しく考えることなく最後まで読みきることができます。主人公が女子高生ということで実に萌え萌えです。ぷにゃ!

 次の本は
「おもしろくてためになる数の雑学事典」(片野善一郎、日本実業出版社、¥1365)。少し前に雑学ブームが到来しましたが、本書はその数字版です。「1マイルは1000復歩のこと」「ガリヴァーに与えれた食料は小人の何人分か?」など、生きていくうえでは必要ないけれども、ちょっとは気になる数にまつわるおもしろ知識満載の一冊です。各ページにはイラストや図表が入っているので数学嫌いの人でも楽しめるはずです。トリ〜ビ〜ア〜。満開!!
 
 最後に紹介するのは
「直観でわかる数学」(畑村洋太郎、岩波書店、¥1995)。今まではちょっと軽めのパズル本や雑学本を紹介してきましたが、この本はまさに数学!!という内容の本です。いきなり1章からサイン・コサインという用語が飛び交います。サイン・コサインというと学生時代に黒板の前で……(以下省略)。とにかく公式だけ覚えてなんとか問題を解いていたという記憶しかございません。その内容というか、本質は未だにわからずじまいです。しかしこの本は問題を解くということよりも、その本質を理解するということに重点を置いています。紙上の三角の図だけで考えるのではなく、それを日常生活のなかの出来事に置き換えることで直感的に理解してしまおうというのです。「電柱を見れば、山の高さがわかる」など、サイン・コサインと全然関係ないんじゃと一瞬思いますが、実はそこにこの問題の本質は隠されているのです。

 数学をわかっている人からみれば「こいつ何わかったようなこと言ってんだよ」と言われるかもしれません。確かにそうです、ごめんなさい。数学を理解しようといくらがんばっても、この世界は奥が深すぎて僕なんかにはぜんぜん踏み込むことはできません。しかしそれでも、パズルなどから興味をもてたらと思い今回挑戦してみました。数学を理解するのに大切なのは、「数字だけで考えるのではなく、身の回りからいかに直感的に数字を感じることができるかどうか」だと思いました。


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