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今月のTOPへ ステンドグラス 編集後記
版元さんリレーエッセイ メトロ川柳
祥伝社 販売部 M・I様
 
  佐伯泰英という作家がいます。
時代小説を文庫書き下ろしで出している作家の中でおそらく今最も勢いのよい作家だと思います。
 
 弊社の文庫(祥伝社文庫)だけでなく、他社の作品も出せば「飛ぶように」(某書店店長の言葉です)売れているそうです。そして嬉しいことに佐伯先生は書くのが早い。ここ1年間に文庫で17冊の新刊を出されている。それも全て書き下ろしである。出版社で働く者からすれば、多作で売れる作家というのは誠にありがたく、神様のような存在です。
 時代小説、特に剣豪小説というとおじさんしか読まない男性向きというイメージですが、佐伯先生の作品は女性読者も多いようです。ある作品で濡れ場シーンを多出したら女性読者から抗議の手紙や電話が殺到し、編集者は対応に大変だったようです。
 
 佐伯先生は今でこそ「時代小説の旗手」といわれていますが、元々はスペインを舞台にした闘牛士ものやアクション小説を書かれていた。(…「ゲルニカに死す」「ピカソ青の時代の殺人」というスペインを舞台にしたミステリーは当時スペインに旅行した後でもあり面白く読んだ記憶があります。) 我が社からもノベルス5点、文庫2点のアクションものを出しています。しかし、これがまったく売れなかった。販売は「もう勘弁してほしい」といい、編集は「これが最後だから」といい出したのが初の時代小説「密命」でした。ところが発売一週間で忽ち重版。その後の活躍は驚くべきほどです。
 その時のことを後日先生がある新聞に書いておられたが、うちの編集者から「現代物はもう出せません。販売も勘弁してくれといっている。あとは官能か時代小説ですねえ」と脅されやむなく書いたのだという。
 佐伯先生、ごめんなさい。あのとき強行に反対したのは僕でした。罪滅ぼしに今、先生の本を一生懸命売っておりますのでお許しください。

プロフィール
58年生まれですが、飲み屋では38歳となっております。
蟹座のO型。
「漂白の牙」を読んで好きになった熊谷達也氏の全作品を読破中です。




*宮島様、ありがとうございました。佐伯先生にそんな裏話があったとは・ ・ ・ 。
 来月はKK社のM様(女性)の予定です。お楽しみに!



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