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今月の特集へ 版元さんリレーエッセイ
ステンドグラス
NHK出版 販売部・K・Sさま

 いま、私の机には6冊の本が積み重なっている。「シルクロード全6巻」。私が生まれた年に一緒に世に出たものだ。そして、25年のときを経て、シルクロードが再び私達の前に姿を現そうとしている。
 
 かつて、商売のため、命がけでシルクロードを通った人々がいた。絹は、命をかけるのに値する極上の品だったに違いなく、「シルクロード」というと私はまず「絹」を連想し、観光で行った中国のシルク工場を思い出す。「絹よ、汝は貴婦人を裸にする」ということばをどこかで聞いた。絹の掛け布団を手に取りながら思わずうっとりしてしまうほど、それはなめらかで軽くて肌触りがとてもよかった。それに、繭の糸を紡いでいたおばあさんの手は、年がら年中水の中で仕事をしているというのにふくよかでやわらかい。天然繭には、肌をなめらかにする成分が含まれているらしい。また、一緒にいた友人はここでバラ模様のパジャマを購入し「ハリウッドの女優になったみたい」と喜んでおり、すっかり絹の虜になっていた。そんなとりとめのないことが頭の中をよぎる。
 
 「絹の道」と名づけられ、行商人が命がけで通った道筋の周辺には未発掘の遺跡や圧倒的な自然の不思議、そして現地の人々の暮らしがある。私の部屋にある6冊の本はその魅力をあますところなく伝える。そして、「始皇帝兵馬俑は2000年にはほぼ全貌をみせるだろう」「砂の下に埋もれている楼蘭遺跡の発掘を進める」などという記述を読むと、25年前と現在とを行ったりきたりしているような感覚になり、この本が発売された年から25年経った今、西安は、楼蘭は、カラホトは、カシュガルは、敦煌は、どうなっているのだろうと思わずにはいられない。
 
 2005年1月、「NHKスペシャル 新シルクロード」の放映が開始されるにあたり、先んじて当社からは11月末に番組の公式ガイドが、来年2月から年末にかけては全5巻の新しい取材記が発行される。新たな遺跡発掘や研究調査による新事実も満載で、現在のシルクロードを伝えるものになっており、一読者としても非常に楽しみだ。あの胸の高鳴りを、多くの人に感じてもらえますように(そして、売れますように☆)と念じてやまない。

1980年生まれ 天秤座 B型
時代・歴史小説が好きで、特に好きなのは日本や中国の乱世を描いたもの。
趣味:テニス、音楽鑑賞、ショッピング
◆長崎・佐賀を担当させていただくことになってまだ二ヶ月です。がんばりますのでよろしくお願いします!


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