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朝日新聞社 販売促進部 K・I様
 
 「新喜楽の前ウロチョロしちゃいますよ」これは7月15日の夕刻の新入社員の言葉。言わずと知れた新喜楽は恒例の芥川賞、直木賞の最終選考会場であり、場所は東京・築地で朝日新聞社ととても近い。前回(130回)の芥川賞は綿矢・金原ブームを巻き起こす程話題になったのは記憶に新しく、また新たな歴史が生まれるのではと、期待感は人一倍強かった。
 
 今回(131回)の最終候補に弊社に関連のある作品は残ってはいない。近所で選考会が行われているというのに社内は皆まるで関心が無いように黙々と働いている。誰が取るのか予想しようぜ、飲み代賭けようぜと独り騒いでいた。そこに先の新人の言葉である。妙に嬉しかった、というか同志が一人でもいることに安堵した。奥田氏の受賞(直木賞)も嬉しかった(個人的に彼は天才だと思う)。予想的中は氏のみだったりしたわけだが・・・。
 
 中学時代、本は夏の課題図書位しか読まなかった。高校時代に女にモテたい一心なのか、当時の彼女の影響か、気付いたら芥川賞・直木賞作品は片っ端から読んでいた。今もその癖は治っていない。そう、この二つの受賞作品群は特別なのだ。だが、現在の仕事をするようになって純粋に受賞作品と向き合えなくなった気がする。売れる、売れないを、面白い、ツマラナイより先に考えてしまう。もっと言えば受賞者本人、いわゆる芥川賞作家、直木賞作家と称される人達と飲む機会がたまにあり、受賞者の家族や親戚といった近親者がこれまたこの業界には多い。一読者、一ファンでいるには複雑な環境なのだ。
  「あ、それ私の母親です。100万円じゃクルマも買えないって文句言ってましたよ」等の話には事欠かない。つい先日も、某直木賞作家には銀座でナンパを命じられ、また某芥川賞作家の次男とキャバクラで大騒ぎをする始末。そんなわけで著者は妙に身近だったりするのだが、作品自体は遥か遠い世界に存在しているといった変な感覚なのだ。
 邪まな読書癖が残っているせいなのだろうが、毎年1月と7月の2回は興奮を抑えられない。そして今回も前回と違った意味でワクワクしていたし、作品も皆面白かった。やはりこの二つの受賞作に外れは少ない。

K・I様プロフィール
1965年生まれ
 今月で39歳 A型

趣味 エアロビ以外のスポーツ 全般
酒は本当はそんなに好きではない・ ・ ・ 筈
特技 年上の女(ひと)

*編集部より:K・I様ありがとうございました。次号はお休みで、10月号はS伝社M島様の予定です。
お楽しみに



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