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版元さんリレーエッセイ ステンドグラス
メトロ書店専務 川崎紀子 
 すがすがしい秋日和が続くので、日頃の運動不足を解消しようと、張り切って歩いたら膝を痛めてしまった。毎日通院している病院は常連の患者さんが多く、看護婦さんは顔を見ただけで「はい腰の牽引ね、こちらへどうぞ」「肩と首ね、右側の機械のほうへどうぞ」とテキパキとさばく。低周波を受けていたおばあちゃんが電気を当てているおばあちゃんに「あんた、待っとってやるけんね」と声をかける。連れ立って病院通いの仲良しのようだ。
 
 私はいつも低周波を受ける15分くらいの間、ぼうっとしていたが(実は他の時でもぼうっとしてる、といわれているが)昨日はたまたま仕事柄、読まねばならない本を持っていたので取り出して読んだ。すると隣の人がちらっと見た。低周波を受けるこんなに短い時間にも本を読むとは、よほどの本好きか、それともよっぽど面白い本なのか、などと思ったのかもしれない。まさか義理で読んでいるとは思わないだろう。読後感想を求められるので、時間に追われて読んでいるとは知るよしもないのだ。
 
 読書というものは強制されて読むものではない。「これ読みなさい」と押し付けられると、余計に読みたくなくなるものだ。子供に読書させようと苦労している親御さんはまず自分が読んで本当に面白かった本、感動した本を読み直して欲しい。そしてさりげなくその辺に本を置いておくのだ。こどもはちゃんと親を見ている。何を読んでいたんだろうと興味を持って本をとりあげること間違いなし。一端本の魅力に取りつかれたら、あとは大丈夫だ。本の面白さにはまって、学校図書館の本を片っ端から読むようになるかもしれない。
 
 秋の夜長、日ごろ読みたくても時間のないお父さん、お母さん。なんとか時間を作って本を読みましょう。お子さんはちゃんと見ています。



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