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版元さんリレーエッセイ ブクブクコラム
長崎の中の中国  神奈川県 H・I様(松蔭女子大学教授)

 長崎と関係の深い外国といえば、一般にオランダが挙げられるが、歴史的に見た場合、最も関係の深いのは中国である。
(一例を挙げれば、元禄時代に長崎へ入港した船舶数は、オランダ船の6隻に対して、中国船は1142隻であった。)
果たして、その歴史的交流の深さを反映して、市内には中国ゆかりの歴史的建造物が幾つか現存しており、ここでそれを簡単に紹介してみよう。
 最初に取り上げたいのは、興福寺(1623年、真円の開基)、福済寺(1628年、覚海の開基)、崇福寺(1629年、超然の開基)、聖福寺(鉄心の開基)のいわゆる長崎唐四カ寺である。この中、寺町の興福寺は「いんげん豆」でお馴染みの中国の高僧、隠元が来日した際、最初に滞留した寺院として名高い。また、鍛冶屋町の崇福寺は、旧暦7月26日から28日にかけて行われる中国盆で有名であり、期間中、全国から集まる華僑の人々や観光客で境内はごった返す。(詳しくは拙稿「崇福寺の中国盆」『長崎文化』第60号、2002年、82〜83ページを参照されたい)。
 次に取り上げたいのは、市中に散宿していた中国人を収容するために1689年に建設された唐人屋敷である。現在、土神堂(1691年建立)、天后堂(1736年)、観音堂(1737年)などのお堂が再建・修復されており、当時の面影を残している。それにしても唐人屋敷のあった館内町を歩いていると、中国にいるような錯覚に陥る。
 もちろんこの他にも長崎孔子廟や旧香港上海銀行長崎支店などの歴史的建造物が市内には現存するので、みなさんも一度足を運ばれてみては如何でしょうか。

<私の推薦書>
長崎中国交流史協会編『長崎華僑物語』(ろうきんブックレット、476円)


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