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2002年9月5日号・第99号 news@metrobooks.co.jp(←原稿はこちらへ)

この方法で生き延びろ??レッツ・サバイバル!   鈴木綾子編集長
 念願の2泊3日の沖縄旅行。いよいよ明日は長崎に帰る日、という段になって台風が接近。まさに明日飛行機に乗ろうとする頃に、台風が那覇市に上陸しそうである。
 夜になると、ホテルの部屋に係の人がやってきて、テラスにある椅子を部屋の中に入れると、窓ガラスのサッシの隙間にタオルを敷き詰めていき、「台風接近に伴う注意事項」というプリントを配っていった。窓から見える砂浜ではブルドーザーが砂をならして、台風に備えている。
 
 私は、浮かれ顔で泡盛を飲んでいる夫(横浜出身)に真面目な顔で諭した。
 「あなたが今までに経験してきた台風はどれも台風の余波である。だから大したことはなかったかも知れないが、今度のは直撃である。」それから台風が直撃してきた場合、どうなるかという話を実体験を交えて延々と聞かせた。「明日の飛行機は多分飛ばないだろう。下手すると、明後日の飛行機まで満席になって乗れないかも知れない。我々はすべからく迅速に台風対策を立て、無事に長崎まで戻る計画を練らなくてはならない。」
 
 この一言で夫は目の色を変えた。持参していたノートパソコンを広げると、明後日の飛行機の便を長崎便のみならず、福岡便、大阪便まで予約しまくった。ホテルもできるだけ那覇空港に近い方が動きやすいということで、別のホテルをインターネットで予約を入れた。(その一時間後には満室になっていた)。私は子どもたちを早めに寝かせると、翌朝すぐにでも出発できるように荷物をまとめた。
 
 さて翌日、案の定、台風のせいで沖縄発の空の便は全便欠航。でも、何としてでも次の日には長崎に帰らなくてはならない。さぁ、サバイバルの開始だ。
 
 朝食を急いで済ませると、逃げ出すようにホテルを後にした。風雨は段々ひどくなってきている。台風は時速25キロの速さで南西の海上から那覇市に向かってきている。名護市(那覇から車で北に一時間)のホテルに泊まっていた私達は、台風が上陸してくる前に那覇市内のホテルにチェックインしようとハイウェイを急南下した。頭の中では「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲が流れている。(この一時間後にハイウェイは封鎖)。
 
 まず那覇空港に着く。そこには数万人の乗客が予約の取り直しのために行列を作っていた。ここで印象的だったのは、若い人たちは皆、携帯を片手にインターネットで航空券の予約を入れているということ。つまり、列に並びながら予約を入れ、カウンターにたどり着いた時にはチケットをゲット、という計算である。ところが、中年以後の人たちはそのような術がないものだから、長いことただ行列に並んでカウンターにたどり着いたところで、「予約はいっぱいです」と断られていた。
 
 私達の場合は、すでに前日のうちにインターネットで予約を入れていたことと、夫が全日空のプラチナカード(お得意様カード。出張が多いのでマイレージが貯まっていた)を持っていたので、長い行列でも一番前に入れてもらえた。空港にはすでに野宿の準備を始めている人たちもいたが、私達は小さな子連れ、無理である。結局、翌日の午前中の福岡便のチケットをゲットした。夕方の一便しかない長崎便では、今度は台風が長崎に来てしまい、着陸できないかも知れないと思ったからだ。
 
 かくしてその日は、台風が来る前にホテルに到着し、荒れ狂う那覇の町を高層ビルの窓からのんびり眺めることができた。そして、翌日も多少揺れる飛行機にビクビクしながらも福岡へ無事着陸。「かもめ」に乗って、午後には長崎に帰ってきた。
 
 この旅の教訓、インターネットを駆使できない人は生き残れない…??


あなたを助けるサバイバル本
『この方法で生きのびろ!』
(ジョシュア・ペイビン&デビッド・ボーゲニクト著、倉骨彰訳、草思社、¥1200)
『SASサバイバル百科大全』
(バリー・デイヴィス著、滝川義人訳、   東洋書林、¥3800)

 車ごと海に飛び込んでしまったら。毒ヘビに噛まれてしまったら…。40の危機についての具体的な対処法を各界の専門家がわかりやすく伝授する。ま、実際ここまで起こることは滅多にないとは思うが、万が一を考えてね。他に旅先篇と恋愛篇がある。

最新のSASサバイバル術や装具を、数多くの初公開写真と詳細な図で紹介。北極で寒さから身を守る方法、砂漠で水を得るにはなど、絶体絶命の時にどうしたら生還できるかを具体的に解説する。これはもっと大変な事態になったときのハウツー本。
『いざというとき役立つ犬と猫のための災害サバイバル』
(香取章子、学研、¥1400)
『とにかくさけんでにげるんだ』(ベティー・ボガホールド、安藤 由紀訳、河原 まり子絵、岩崎書店、¥1300)

地震、噴火、水害、原発事故…災害が起きたら愛する犬、猫はどうなる? そのときの準備をしていますか? 阪神・淡路大震災、有珠山・三宅島噴火など、過去の災害から学ぶ犬・猫のサバイバルのポイント。あなたのペットのためにもぜひ揃えたい1冊。

デパートで迷子になったら、公園で知らない人に声をかけられたら、親戚のおじさんに服を脱いでいやなゲームをさせられたら…この本にあるとおり行動して自分の身を守りましょう。誘拐・性被害を防ぐ、親子で読む絵本。人を信用できない時代、子どもたちには可哀想だけど、ぜひ読ませたい1冊。

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