メトロニュースメニューへ
今月のTOPへ 版元さんリレーエッセイ
編集後記 編集長の読書日記

 その15 日販九州支店 T・S様 
 
 
 
ビールに小説

 「ビールにナイター」これはお父様方の夏における楽しみの一つであろう。しかしこの楽しみには一つだけ欠点がある。そう、ナイターシーズンが終わると享受できないという欠点である。
 この欠点を克服しようとしたわけではないのだが、僕は何と言っても「ビールに小説」派だ。もちろん友達と一緒の時には一人で小説を読みふけっているような事はしない。(ここが欠点といえるかもしれない。)仕事柄、出張が多いので一人で飲み屋に居る事も多いのだが、たいていは文庫本がポケットに入っている。ビールを飲みながら読むには一度読んで気に入った本が良い。これはお気に入りのビデオを見ながら一杯、というのと同じ事である。ここで最近のビールのおつまみを紹介させていただきたいと思う。
 ●北方謙三「三国志」:劉備と2人の豪傑との出会いの場面が特にビールにぴったり。
 ●浅田次郎「プリズンホテル」:どこから読んでもビールのお供。
 ●伊集院静「ピンのピン」:ギャンブル好き御用達のビールのおつまみ。
 ●阿佐田哲也「麻雀放浪記」:夢中になりすぎるとビールが温くなるので注意。
 ●藤原伊織「雪が降る」:ビールのピッチが早くなるので飲みすぎ注意。
 
 とりあえず5冊紹介させていただいたが、この他にも例えば短編のミステリーやエッセイ、ハードボイルド等も良い。言うまでも無い事だが短編のミステリーは未読のものをオススメする。それからもう一つ、村上春樹の全ての作品。この人の場合はビールのおつまみというより、この人の本を読んでいるとビールが飲みたくなると言った方が正解という気がする。それはあたかも森博嗣の本を読んでいると煙草とコーヒーに手が伸びるようなものである。村上作品にしても森作品にしても、このような不思議な魅力のある小説に当たるととても得した気分になる。他にもビールに煙草にコーヒーが出てくるものはたくさんあるが、きっとビールや煙草やコーヒーが「好き」という点において他より上を行っているのだと思う。中身の面白さとビール(煙草、コーヒー)の美味さ、この二つを同時に享受できる時間は至福である。
 ところで、家でもビールに小説?という質問が聞こえてきそうであるが、答えはYES。僕はテレビをほとんど見ない(日曜日のグリーンチャンネルは除く)。ついでに言うとラジオも聞かないし新聞も取っていない。家族は?答えはNO。そう、一人暮らしなのです。今年こそは二人暮しにしてみせる、と強い強い決意を持ってこの原稿を書いているのであった。一年の計は元旦にあり。
            2002年 元旦

 一年の計と言えば、今年こそ原ォ先生が「沢崎シリーズを書くぞ」という計を立ててくれていると大変嬉しいのですが、皆様いかがでしょうか。

T・S様プロフィール

生年月日:1967年6月10日
血液型:B (マイペース型)
趣味:音楽鑑賞、ギター演奏、競馬、そしてもちろん読書。
特技:冷蔵庫のありあわせのもので酒の肴を作ること。
好きな本:今は北方謙三の「水滸伝」(早く新刊出してくれ!)



今月のTOPへ