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版元さんリレーエッセイ 編集後記
長与町 風のフジ丸さん

 「ハリー・ポッター」シリーズ第4巻の邦訳が発売された。今回も記録的な売れ行きらしい。2巻目以降の原書は2年前に読んだが、家人が購入する邦訳も必ず手に取る。訳者・松岡佑子さんの「あとがき」を読むために。松岡さんの文章には、いつも心を打たれる。
 「傷ついた体で、疲労困憊しながら、敵うはずのない相手に対して、父親と同じように戦って死のうとするハリーの…瞬間の言葉には、訳しながら感動で震えた。「行くぞ!」ぎりぎりの瀬戸際での、このハリーの勇気が好きだ。満身の力を込めて自分を励ます、この言葉が好きだ。この気持ちは、四年前に版権が取れたときの私の気持ちでもあった。「行くぞ!」あのとき、私もそう思った。」
 ハリー、そして松岡さんとおそらくは同じ気持ちで、「行くぞ!」と思ったであろう人物が、脳裏に浮かぶ。自分の力を信じ、それまでに築き上げた全てを擲ち、激しいバッシングにさらされながらも自分の夢に向かって突き進み、そして道を拓いた男。大リーガー、野茂英雄。
 今季は自己最多タイの16勝(6敗)、防御率3.39。開幕当初こそ打線の援護なく勝てない試合が続いたが、5月17日以降何と14勝1敗。抜群の安定感でチームに勝ちをもたらし続けた。その不屈の姿を、トレーシー監督(元横浜)は「warrior(戦士)」と讃え、現地のアナウンサーは「サムライ」と呼んだ。今季も、私は彼の投球に感動し続けた。
 来季、松井秀喜が渡米する。それも野茂あればこそ、なのだ。

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