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2002年8月5日号・第98号 news@metrobooks.co.jp(←原稿はこちらへ)

祝!長崎市出身・吉田修一さん  第127回芥川賞受賞!
緊急予告!吉田修一さん凱旋帰郷サイン会INメトロ書店本店(予定)
9月のアミュプラザ本店オープン2周年記念イベントでいらっしゃる予定です。詳細決まり次第ご案内いたします。
 第127回芥川龍之介賞の選考委員会が7月17日(水)午後5時から築地・新喜楽で開かれ、吉田修一さんの「パーク・ライフ」が受賞作に決定した。5度目の芥川賞候補の受賞。贈呈式は8月22日午後6時から東京会館で行われる予定。
   
 1999年、吉田さんの初単行本『最後の息子』(文藝春秋)が出た時、長崎のご出身と聞いて、慌てて文藝春秋さんに追加注文を入れたのを憶えている。当時の文藝春秋・営業御担当のNさんに電話すると、「吉田修一さんね、ふーん」程度にしか言われなかったので、少しがっかりした。
 
 ところが、その本を読んでみてびっくり、その魅力を一言で言い表すのは難しいが、現代に生きる人々を軽妙に描きながらも、その裏側には表面からは見えない人間の哀しみだとか、欲望といったものを感じさせる。爽やかでありながら、余韻が残るとでも言おうか、こんな小説を書く人がいるなんてと、まさに一目惚れならぬ一読惚れだったのである。それに、長崎弁で書かれたいくつかの短篇も、とてもカッコ良く、おしゃれで、地元・長崎人としては嬉しく思った。
 
 早速、『最後の息子』は各店のメイン平台に平積みし、おすすめのPOPをつけた。特に地域柄、吉田さんのお友達が多くご来店されるのではないかと思われる浜町店では大きくアピールした。また、本紙や小社ホームページ、NBCラジオさんなどでも吉田さんの本が出るたびに紹介させて頂いた。当店でも吉田さんのファンは多く、本を出されるごとに確実にファンの数は増えていくようだった。
 
 今までも毎回、吉田さんが芥川賞候補になる度に、メトロ書店のスタッフ一同で、「受賞しますように」とお祈りし、(青来さんのときはどちらがいいのか悩んだが)、今年山本周五郎賞を受賞なさったときは、スタッフ一同大喜びした。今回の芥川賞候補になられたときは、吉田さんの全国的人気の高さや本の売行きが好調なことからも、受賞は確実なのではないかと思っていたが、やはり受賞!朝礼で皆で万歳三唱した。
 
 吉田さんは1968年長崎市生まれ。南高卒業。(短篇「Water」にもある通り、水泳部だったそうです)法政大卒。現在東京都在住。アルバイトのかたわら執筆し、97年、「最後の息子」が文学界新人賞を受賞しデビュー、芥川賞候補に。その後、「破片」「突風」「熱帯魚」と候補になる。長編「パレード」で今年の山本周五郎賞を受賞。大衆文学と純文学を代表する新人賞を相次ぎ受けた前例はないだけに、幅広い才能を認められたことになる。
 芥川賞受賞作「パーク・ライフ」は、近くに勤める主人公の「ぼく」がいつも昼食をとる東京・日比谷公園が舞台。地下鉄で偶然声をかけた女性との会話や、留守番を頼まれているマンションの住人夫婦とのかかわり合いを通して、希薄になっていく都市の人間の身体感覚やコミュニケーションが描かれている。最後はあの後、どうなるの?と気になる。
 
 単行本は8月26日頃、文藝春秋より発売予定。全文掲載の「文藝春秋」9月号は8月10日発売。いずれもお早目にご予約下さい。これからも吉田修一さんを長崎から応援していきましょう!(鈴)


吉田修一さん著作リスト

『最後の息子』(文藝春秋、¥1333)☆8/3 文春文庫化 ¥505
 新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲し、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記。そこに残された映像とは…。第84回文学界新人賞受賞の表題作のほか2作を収録。「最後の息子」第117回芥川賞候補作。

『熱帯魚』(文藝春秋、¥1429)
 大工の大輔は子連れの美人と結婚するのだが…。果して、彼にとって恋とは何なのか。60年代生まれのひりひりする青春を描く小説。第124回芥川賞候補作の表題作他「グリンピース」「突風」(第122回芥川賞候補作)を収録。

『パレード』(幻冬舎、¥1600)
 いつの時代も現実は厳しい! 素顔のままでは生きにくい。でも相応しい自分を演じれば、そこは誰もが入れる天国になる。先の見えない5人の微妙な2LDK共同生活。山本周五郎賞受賞作

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