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版元さんリレーエッセイ ステンドグラス 編集後記


長崎市 T・K様  

 初めてお便りします。本屋さんや図書館に行っていると心が落ち着く私です。本のジャンルは問わない方ですが、最近は小説を割と多く読んでいる方だと思います。  
 今回、私が紹介したい本は、加納朋子さんの本です。  最初に読んだのは「ななつのこ」(創元推理文庫)です。平積みされていた本のオビが目にとまって、その本が買って、買って、私の本を読んでみてと囁いているような感じがすることがあるのですが、まさにそんな感じ、その瞬間手に取っていました。  

 この本、ミステリーと言えばミステリー、しかし血生臭い殺人事件などあるわけではなく、ひとつひとつの話が生活の中でふと感じた疑問、出来事について、なぜそういうことが起きたか、どうしてそういう行動をとったかという心の動きを推理しているんですけど、ひとつの話が短くまとめられているため読みやすく、一気に読破させられる、読後感爽快な本です。中にタンポポのことを題材にした話が一つ入っていますが、少しジーンとくる話で私の気に入りです。小さな本なので気に入ってもらえた方は、続編「魔法飛行」もお薦めします。  加納さんの本で一番お薦めしたいのは、「いちばん最初にあった海」(角川文庫)。二話から構成されているのですが、最初は心身症の女性の話なのだろうかといった書きぶりで始まるこの本、読めば読むほど、えーっと驚かされます。一話目の終わりに感動があり、二話目にまた大きな感動があるはずです。涙を誘うこと間違いなしです。  

 本の性格上、詳しく書くと読んだときの面白さに欠けると思いますので、中身はお楽しみですが、子供を妊娠中の夫婦、あるいは小さい子を持つ夫婦に読んでほしい一冊です。幼児虐待とか寂しい世の中ですが、救われた気持ちの読後感を得られる本です。  この本を好きになってくれた人には「時計を忘れて森へいこう」(光原百合、東京創元社)もお薦めできます。 以上の本、妻にもぜひ読んでと薦めたところ、良かったよと言われ、嬉しかった本です。

ブクブク・コラムでは読者の皆様からの投稿をお待ちしています。テーマは「本」に関することならば自由。字数は800字程度。採用された方には図書券をさしあげます。宛先はこのメールまで。news@metrobooks.co.jp ペンネームと題名もお忘れなく!
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