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版元さんリレーエッセイ ステンドグラス 編集長の読書日記
メトロ書店専務 川崎紀子 
 先日の爆弾テロ以来、人々の心が殺伐としてきたように思われる。毎日のように執拗にまで報道されたあの場面を見た世界中の人々の心が沈んでしまったからなのだろうか。犠牲になった方々のご家族の悲しみはいかばかりだろう。飛行機をハイジャックして激突したテロリストの家族も悲しいはずだ。
 先日再放映されたNHKのテレビ番組で、イラン、イラク戦争で息子を失ったイラン人の父親は「彼の死は殉教、彼は殉教者で今はムハマドと共に天国でアラーの神の御許にいる 」と悲しくはない、と言い張った。しかし、その後息子の墓参りの場面で父親は流れる涙をぬぐっていた。
 
 息子や娘、父や母を失うのはどんなに悲しいことか。天寿をまっとうして亡くなったのなら、あきらめて受け入れる事もできようが 、戦争や事故でふいに愛する家族を奪われるほど悲しいことはないだろう。
 
 今、弊店でもアフガニスタンやイスラム関連書のコーナーを設置している。なかでも創刊になったばかりの光文社新書にも、そのものずばりの「タリバン」という題名の本があり、よく売れている。 何が起こるか分からない世の中になってきた。このテロ事件を契機に、もっとイスラムの世界を知って今回の災いの根源がどこにあるのかを知ろうと、本を読む人々が増えたのではないだろうか。
 
 読書離れが叫ばれて久しいが、「読書は知の探求に答えてくれる」一番身近で手軽なものだと思う。
 秋の夜長、気になった、また気に入った本をひとり静かに読みたいものである。


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