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第4回ダイヤモンド社 T・Kさん

 
稲見一良(いなみいつら)という作家をご存知だろうか。
コマーシャルフィルムの製作会社に籍を置きながら、ミステリ小説や映画に関するエッセイを執筆、のちに小説家に転身。
 「ダック・コール」で第4回山本周五郎賞を受賞し、94年に十年にわたる癌との闘いの末に他界。享年63歳。
 僕が最も敬愛する作家のひとりだ。
 
 稲見氏の文章に初めて出逢ったのは「モデルガン・チャレンジャー」(廃刊)という雑誌に連載されていたエッセイだった。
ミステリ小説のこと、映画のこと、そして銃のこと・・・。その造詣の深さに驚嘆しつつ夢中で読んだものだった。
 やがて発表された小説も、その期待以上の出来映えで僕を楽しませてくれた。
 すっかり熱烈なファンになった僕は、知り合いの書店の店長が、「ダック・コール」の出版記念パーティに招待されていることを聞きつけ頼み込んで一緒に連れて行ってもらったのだが、この夜の記憶は宝物だ。
 ゴマ塩の短髪にタキシードを着た小柄な稲見氏は、じつに粋だった。
 にこやかでありながら不敵さを秘めた、そんな氏の笑顔を見ながら、

「こんな顔で笑うオヤジになりたいものだ」と思ったことを憶えている。
 
 稲見氏の個々の作品を紹介するのは字数の問題で割愛せざるを得ないのだが、その作品全編を通じて描かれているものは何かと問われたら、それは「矜持」と「含羞」であると僕は答えたい。
ご興味のある方は、メトロ書店でご購入を。

 僕が初めて散弾銃を購入した時、迷わずポンプ・アクション式を選んだのも、稲見氏の影響によるものだったのか。そんなことに、今ふと気がついた。


T・Kさんプロフィール
ダイヤモンド社マーケティング局           
 昭和37年9月16日生まれ、B型、乙女座
 趣味:読書・空手・射撃(散弾銃、火縄銃)
 モットー:なるようになる



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