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「老いを読む」長崎市T・M様 / 「変わりつつある出版社事情」鈴木綾子
「老いを読む」長崎市 T・M様

 私の書棚に並んでいる高齢者向きの本を総まくりしてみた。

『なにぶん老人は始めてなもので』(中沢正夫、柏書房)、誰でもその通りで、私も七十歳になり、体力、記憶力の衰えを嘆きながら、「そうか、これが老いなのか」と少しずつわかりかけてきたが、『六十でわかるか!』(中沢正夫、朝日新聞社)と七十歳の開き直りをすることにした。五十、六十歳はまだまだ老いの序の口。『五十歳からの満足生活』(三津田冨佐子、三笠書房)や、『六十歳からの積極人生』(吉沢勲、海竜社)を読むと、まだ「老い込むのは早いぞ」と独り言を言うことになる。この独り言が老いの始まりである。 
 
 老いを意識すると、『死ぬまでになすべきこと』―子供や配偶者はあてになりません―(式田和子、主婦の友社)で死ぬまでの準備が必要になる。しかし、『痛快!不老学』(後藤眞、集英社インターナショナル)や『老人学』(毒蝮三太夫他、海拓社)『老人力』(赤瀬川原平、筑摩書房)など、「学」や「力」が入る本が多く並んでいて、読んで老いもまた楽し、そう簡単には死ねないぞと思うようになる始末。しかし、心配なのは「もの忘れ」が積もって「ボケ」になることだ。『明るくボケよう』(村山孚、草思社)とボケ防止対策と取り組んでもみる。『暮らしの老いじたく』(南和子、筑摩書房)をボチボチ始めながら、『「実習」自分史の書き方』(内海靖彦、柏書房)を参考にして私なりの自分史をまとめることにしている。 
 
 『一億人のための遺言状』(内海隆一郎選、蝸牛社)や『一億人のための辞世の句』(坪内稔典選、蝸牛社)で、遺言状の書式や内容について考え、自分の俳句や川柳をまとめて一冊の本にして出版(?)してみようかなどとちょっぴり思う。 

 最後は、『私の死亡記事』(文藝春秋編)が新聞紙上に載ることになるが、PPK(ピン・ピン・コロリ)と死ぬことを夫婦二人とも願っているので、『伴侶の死』(平岩弓枝選、文藝春秋)は書かなくて二人揃って「ハイ、サヨウナラ」といきたいものだ。


変わりつつある出版社事情  鈴木綾子

 ちょうど一年前のメトロニュース2月号で、私は出版社の受注体制が電話やファックスでは前近代的すぎる。ぜひ、Eメールで受注をするべきだ、という旨の文章を書いた。
 そしてその時に賛成の意見を下さった出版社さんがたったの3社(オレンジページ、PHP研究所、三笠書房さん)。つまり、その時点で、Eメールを会社で利用している出版社さんは極少なかったというわけだ。
 
 さて、それから一年経って、どうなったかと言うと、これが嬉しいほど増えた。しかもメールよりももっと便利なインターネットによる受注システムを持つ出版社さんも増えてきた。
 
 メールについては、現在、10社ほどの出版社さんとやりとりしている。たとえば、C社は全社員にパソコンが一台支給されたそうで、何でも、出社してパソコンを立ちあげる作業がタイムカード代わりになっているそうだ。あのお堅いI社やB社の担当者さんまでもがメールを送って来られたので、その進歩に正直言って驚いた。
 
 出版社の担当者さんとメールができると、先方が出張などで不在の場合でもメッセージを残しておくことができるし、中央の売行き情報を先取りできるからとてもありがたい。また、こちらの売上状況やお客様の生のお声を送ることもできる。
 
 インターネット受注システムのある出版社は、たとえば小学館・集英社・白泉社・祥伝社などを中心としたS―bookネット、角川書店グループ、文藝春秋、講談社(一部)、JTBさんなどである。これは、画面上で注文を入力し、出荷状況なども確認できるので大変便利である。また、実際に注文してから入荷するまでの日数もかなり短い。このようなインターネット受注システムを導入される出版社はこれからもますます増える傾向にあるようである。
 
 ただ、便利だからと言って、これが100%良いシステムかというと、そういう訳ではない。担当者さんとの微妙なやりとりができないという点が問題である。
 たとえば、「ある商品について、メトロ書店では特によく売れている。インターネットの画面上では在庫なし、になっているが、絶対がんばって売りたいので、そこを何とか融通してもらえないか」といった内容の場合。そういった場合はやはり担当者さんとの生のやりとりが必要である。
 
 つまり、注文は全てインターネットでお願いします。当社の担当者とは電話はほとんどつながりません、というのも困るわけだ。
 
 そういうわけで、現在、メトロ書店では、便利で迅速なこのインターネット注文システムを利用しながら、なおかつ店長を始めとする各部署のリーダーが日々出版社の担当者さんと情報交換をしている。こうして少しでも多くのお客様に良い本をたくさんご提供できれば、と考えている。
 
 来年はさらにどういう状況になっているのか、楽しみである。


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