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本店スタッフ紹介 ステンドグラス 編集長の読書日記

第3回
PHP研究所 R・F様

 
 京都に住んでいる私は21世紀はじめての年明けを季節外れの「五山のお送り火」を見た後迎えた。昨年末を振り返るとマスコミなどあちらこちらで「21世紀に残したい○○○○」という表現を目にする機会が多かったと思う。特に「21世紀に残したいこの1曲」「21世紀に残したいこの1冊」など歌や本はその中でも最も取り上げられたものだったのではないだろうか。
 
 あるとき営業先の書店さんへ行くと、私も御多分にもれず「今度お客さま向けに月間ニュースを出すことにした。1回目は『21世紀に残したいとっておきの一冊』という内容で発行するのでおすすめの本を選んでほしい」と依頼された。あれこれ悩んだ末、とっておきの3冊を選んでみた。
 
 その翌日久しぶりに再会した友人とこの話題について話をした。二人であれやこれや自分の好みを主張するばかりで一向にまとまらない。
 
 21世紀に残したい作品として、ようやく一致したのは夏目漱石の『こころ』だった。教科書にも採用されていて、読書感想文の定番となっている作品なので日本人なら一度は読んでいる作品だ。 この作品の面白いところは友人曰く「教科書によって採用されている部分が違うことと、それぞれの担当の国語教師によって微妙に解釈が違うこと、そしてなにより多くの人に読まれ続けられているから、十人十色の読み方があることだ」と。 友人は職場でそれまで全く接点のなかったアルバイトの女性と『こころ』について議論し,多いに盛り上がったらしい。それをきっかけに他の作品の話をしたりして、良い職場関係が築くきっかけになったとも言った。
 
 そうしてみると本当に21世紀に残すべきものは『こころ』という作品ではなく,文学を楽しめる私たちの「読書のこころ」ではないでしょうか。 21世紀も読書を楽しみたいものです!

藤原良介さんプロフィール
PHP研究所・第一普及本部
生年月日:75年8月23日生、乙女座・A型
趣味:自転車(ロードレーサーのような本格派)
同志社大学文学部文化学科卒、
体育会陸上部所属(長距離)

*このコーナーはメトロ書店より、出版社の担当者様を指名させて頂いておりますが、「私も書きたい!」とご希望の版元担当者様、ぜひご一報下さい!
 さぁ、次号はどなたになられるか。お楽しみに!

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