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版元さんリレーエッセイ 井形慶子さん直筆メッセージ

2001年8月5日号・第87号 news@metrobooks.co.jp(←原稿はこちらへ)

「リゾートへ行ってきました!」専務・川崎紀子
 先月号のメトロニュースの「リゾート行きたい!」の編集長にかわりリゾートへ行く日が来た。「よかねー、自分ばっか…」の編集長の声を背に受け、いささか後ろめたい気持ちで旅立ったのだが・・・。
 
 集英社2001コンヴェンション イン ハワイの一行約80名は2班に分かれて成田からホノルルへ。我々Aコースのメンバーはそこから小さな飛行機に乗り換えてハワイ島へ向かった。その島は自然環境保護の為、高層ビルを建てることは禁じられていて、見渡す限り溶岩台地だ。、所々に椰子の木や緑が植わっているところだけが人や建物の気配がする。
 
 空港から20〜30分で目指すホテルへ着いた。海辺のそのホテルは世界屈指の高級ホテルで、広大な敷地には緑が豊かに生い茂り、プルメリアの大木には白い可憐な花が真っ盛りだった。木々の間をぬって敷石の歩道が設けられ2階建ての建物が点在する。私の部屋は811号で二階部分だった。 
 
 室内は木や石を基調に装飾され、あくまでも自然を取り入れた作りで備品のレターセットにもリボンではなく藁のような素材のひもがかけてあった。ベッドの上には羽の長さが1m以上ものファンが天井から下がっていて、エアコンを切っても自然の風が愉しめるようになっていた。エアコン嫌いの私には願ってもない設備だ。 
 
 ヴェランダへ出ると数メートル先に浜辺があり、紺碧の海が目の前に広がっていた。白い砂浜と椰子の木。まるで絵はがきのようだ。潮騒の音が耳にここちよく響いてくる。目を閉じてしばらく波の音と潮の香に身をゆだねた。日々の喧騒から逃れゆったりと時間が流れる。
 
 ウエルカムパーテイーはシーサイドテラスのレストランでおこなわれた。見渡す限りの水平線には帆影ひとつなく、真っ赤な夕日がまさに沈まんとしていた。夕陽を背に踊っているフラダンサーの黒いシルエットにスポットがあたり、若く美しいハワイ美人だということが分かって、男性陣から拍手がおこった。海からの自然の風が頬に心地よく、ハワイアンカクテルを片手に談笑し、見知らぬ人どうしのテーブルもすぐにうち解けて夢のような時が過ぎた。
 
 ハワイ島は四国の半分もある大きな島で、翌日の観光は丸一日がかりだった。日系人が多く住んでいるヒロをへて今も溶岩を噴出しているキラウエア火山へ。火口近くの観光案内所で噴火時の映画を見た。最近でこそ大きな噴火はないが、今も溶岩を流し続けていて海へ流れ込んでいるそうだ。あいにくその場所は空からしか見られないそうで、観光のヘリコプターが飛んでいるとのこと。閉所、高所恐怖症の私には見たくても見られない光景だ。火山から有名なアカカの滝へ行った。このあたりはレインフォレストといって雨が多い所で、道の両側には背丈を数メーターも超える大きなシダが林立して、園芸店で売っているような観葉植物や蘭が乱れ咲いていた。
 
 ハワイ島の最後の日、楽しみにしていた「スターゲイジング」に出かけた。4WD3台に分乗し、4206mのマウナ ケア(雪の山)を目指す。パーカー牧場を通り抜け、まず1000m付近でサンドイッチとコーヒーの軽い夕食を済ませ、次に2000m付近の鬼塚メモリアルセンターで休憩した。ここは、あの爆発したスペースシャトルに乗っていたハワイ出身の鬼塚宇宙飛行士を記念して作られた建物で、関係資料や写真などが展示してあった。いよいよここから山頂まで一気に登っていくのだ。
 
 路肩の表示もないさざなみ道路を4WDはぐんぐん登り、舗装道路に出ると頂上に日本の天文観測台「すばる」が見えてきた。いろんな人が登って来られないように、わざと舗装をしないのだ、とガイド氏が言った。頂上にはイギリス、アメリカなど各国の天文台が5,6台設置されていて、車から降りると下界の気温から30数度違う真冬の世界だ。外気は0度で酸素は60%しか無い。途中で借りた厚手のコートを羽織っていても寒い。360度見渡す限りの雲海。そこに夕陽が沈むまで山頂にいるとのこと。まだ数十分あるが、寒さと酸素不足で何となく気分が悪くなり、車に入れてもらって車内から夕陽を見た。こんな経験はもう2度とないだろう。なにしろ富士山より高い山に車のまま登ったのだから。
 
 夕陽の美しさはカメラに収めても収めきれる物ではなかった。私は刻一刻と変化していく荘厳な光景を、息をのんでただ見つめていた。
陽が落ちると、こんどは2000mほど降りたところで星の観測が始まった。6時30分ごろだ。

 「皆さんこれは何ですか?そうホクトシチセイですね。だからこれがホキョクセイ。反対を向いてください。あそこに十字架見えるでしょう?チョト傾いているけどね。あれがミナミ十字星です。この時間は両方同時に見えるんです。ボクは皆さんにどうしてもこれを見せたかったので時間のことばっかり言ってたんですよ。」
と流ちょうな日本語で説明してくれたこのガイドさん。真っ暗闇のなかでサーチライトで空を照らしたり小型の天体望遠鏡をのぞかせたりして、いろいろと教えてくれた。運のいい人は流れ星を見たが、私は人工衛星を数個見つけただけだった。あまりに速く動くのでUFOかと思ってしまった。天の川、牽牛、織り姫、さそり座、乙女座etc。まるでプラネタリュウムで見ているようで、まさに満天の星だった。心の中に「スターダスト」のメロディが沸き上がり、そっと口ずさんだ至福の時であった。
 
 (この旅行を計画し、現地で周到な準備をかさね、私たちを心ゆくまで楽しませて下さった集英社様、いろいろと有り難うございました。)

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