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本店スタッフ紹介 編集後記 編集長の読書日記

第2次絵本戦争 長崎市 愚者の石様


 息子の本選びが積極的になってきた。しかも、このわずか1ヶ月の間にきちんとストーリーのある本を選んでくるようになったのである。それは、どなたもご存じであろう「おおきなかぶ」である。
 
 1日1度は読んでもらわないと気に入らないらしく、毎晩すごい笑顔で持ってくるのである。リズムをつけて読んでやると息子どころか娘まで一緒に聴いてくれるので父親としては嬉しい限りである。もっとも、今までの「りんごです」や「こんにちは」といった同じ言葉を繰り返すタイプの本も大好きである。ただし、こちらは娘には今ひとつのようである。何せ、雪女や注文の多い料理店、じごくのそうべいといった渋系の本を好む娘である。
 
 さて、このひと月ほどの間に息子と娘の関係に大きな変化がおとずれた。その日、私は疲れていて今日は絵本を読まずに寝ようと思っていたときであった。息子は読む本を私ではなく、娘に持ってきたのである。
 
 娘の「読むと?」の声にうなずく息子!
「じゃ、読んであげるけんね!」はきはきとして嬉しさに満ちあふれた声であった。
 
 そして、彼女の読み聞かせが始まった。もちろん、すべてを正確に読んで聞かせるわけではない。話の筋はあっている物もあれば、全く話が違っている物もある。そもそも、お話になっていない物も多い。それでも嬉々として息子を座らせ、読んでいるのである。読んで聞かせるのがとても楽しそうに誇らしげに読んでいるのである。息子の方も読んでもらうのが楽しそうににこにこしている。
 
 しかし、その一方で娘が睡魔におそわれていると息子の不満が爆発する。
「ねぇーちゃん、いつも読んでくれるとに何で読んでくれんと!(心の叫び)」
といいながら、絵本で姉の頭や顔を叩くのである。娘はほとんど手を出さないが逃げようともしない。まったく、専守防衛の自衛隊のようである。
 
 また、息子が読み聞かせの途中で脱走を図ると、その度に娘は「恭平(仮名)」といいって捕まえ、息子は泣き出すことになる。娘はいいことをしているつもりなのだろうが、息子にとっては迷惑なのである。
 
 しかし、お気に入りの本を読んでもらうとすぐに機嫌を直す。誰に似たのか現金な息子である。そして、うちの相方は微笑ましそうに2人の様子を見ている。3人ともそれで満足なようである。
 
 だが、くやしい者がいる。私だ。これまでの読み聞かせの時間は、私が、そう、わたしこそが主役だったはず。しかし、今は主役は娘に取り上げられている。この思い晴らさずにおくべきか!そして、私は決意した。

 第2次絵本戦争の勃発である。
 「恭平(仮名)、絵本読んであげるよ。おいで。」と私は言うと、すかさず娘が「お父さんはこっち!(ハリポタを差し出す)」といいながら私から絵本を奪い取る。そして、「お姉ちゃんが読んであげるけんね!」と息子に向かって主張する。ならばと、私はすぐに息子を膝に乗せると、娘が息子と私の間に割り込んでくる。仕方なく娘を布団に転がすと敵も心得た者、最終手段を使うのである。
そう、泣き叫ぶのだ。そして、ついに神(=相方)の一声で決着がつくのである。

「いい年して、いい加減にせんね!」 私の負けである。

 娘は勝ち誇ったかのような流し目を私にくれて、息子に本を読んでやることになる。
 く、くやしい。次は絶対に勝つぞ!と思いながら毎日が繰り返されるのである。さてさて、この騒動はいつまで続くのでしょうね?

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